エネルギー・ヒーリングの師Master Del Peのビレッジで行われたリトリートから帰ってきて約1か月後、エネルギー・ヒーリング・スペシャリストの認定資格を取得するプログラムに申し込んだ。すでにエネルギー・ヒーリングのオンライン講座をいくつか修了していたので、認定資格はもう少し勉強すれば取れるものと甘く考えていた。

Master Del Peのビレッジ
だが、申し込んだ後に資格の取得条件の詳細を知り、愕然とした。過去に受講したヨガ・インストラクター資格講座ではクラスに全部出席し、簡単なデモクラスを一度行えば、資格が得られた。だが、エネルギー・ヒーリング・スペシャリストの認定資格は申込者の半分も取得できないと思われる厳しい条件だった。認定資格を取得するためには、4か月間で以下をクリアしなければいけなかった。
1,11種類のオンライン講座を修了し、理解度テストに合格する
2,6人×10回、全60回のエネルギー・ヒーリングセッションを実施し、各回の結果レポートと体験者による評価レポートを提出する
3,エネルギー向上エクササイズのセミナー10回、瞑想セミナー10回、全20回のセミナーを実施し、各回の参加者アンケートを提出する
講座を修了し、テストに合格するだけなら、自信はあった。だが、60回のエネルギー・ヒーリングセッションと20回のセミナーの実施は非常に高い壁に感じた。なぜなら、セッションもセミナーも自分で参加者を見つけてこなければいけない。
しかも、60回のセッションのうち、30回は先輩ヒーラーと共同で行う有料セッションという決まりだった。つまり、共同セッション費用を支払うクライアントを見つけなければならない。共同セッションの費用は10回分で20万円を超える金額(当時のレート)だった。
「資格を取るのは無理だ」
最初くじけそうになったが、エネルギー・ヒーリングを学び、リトリートにも参加していた私は、以前より意志力が高まっていた。
「大変そうに見えることも、一歩一歩前に進めば、必ず成し遂げられる」
そう信じて、「必ず、4か月で修了する」と毎日、念じた。
認定講座プログラムにはフィリピンだけでなく、南アフリカ、イタリア、カナダ、エクアドルなど、世界中からの参加者がいた。私と同じように、エネルギー・ヒーリングのセッションを受けて元気になったことをきっかけに、学び始めたという人もいた。ハードルの高い認定講座プログラムで、ともに学ぶ仲間がいることは励みになった。

プログラムのクラスメートだった南アフリカのナリーシャさん(右)と、後にリトリートで会った時の一枚。

同じくクラスメートだったフィリピンのサーシャさん(右)と。中央は筆者、左はサーシャさんの妹さん。

英語と日本語のメモ書きで埋まった講座のテキスト。
毎週1回、認定講座の先生に質問できるオンラインクラスがあった。クラスは他国の参加者の時差を考慮して、フィリピン時間夜10時に始まった。早寝の私にはきつかったが、毎回リアルタイムで参加した。講座の内容で分からなかったことをそこで質問し、理解を深めた。
トータル20回行う必要があるエネルギー・ヒーリングのセミナーは友人や知人の人脈に加え、私のブログを使って、告知し、集客を試みた。WANのイベントページも活用させていただいた。
私は10年以上ブログを書いていたが、それまでブログを通じてオンラインセミナーを開催したことはなかったので、参加したいという方が現れるか不安だった。だが、初回のセミナーには10人以上の方が参加してくださった。
初めてのセミナーは緊張したが、ブログ読者の方と直接、お話できたのは、とても幸せだった。8年前からブログを読んでくださっているという方からはこんなコメントをいただいた。
「ガンを経験されてから、より開放的で穏やかなエネルギーを放たれているように感じ、セミナーに参加させていただきたいと思いました。」
読んだ瞬間に、ブログを続けて良かった、と涙が出てきた。
ブログは10年ほど前からヨガや健康的な食事・ライフスタイルについて、週三回以上は更新していた。だが乳がんという診断を受けて以来、数か月間ブログを休止していた。長年、健康法をブログに綴ってきた自分ががんになった現実を受け入れられず、自分のブログを見るのが辛かった。ましてや、ガンの手術を受けたことをブログに書く勇気はなかった。手術直後、もうブログはやめようと思っていた。
だが、エネルギーヒーリングのセッションを受けて心身の活力を取り戻し、がんになった自分を受け入れられるようにになり、数か月ぶりにブログを再開した。乳がんの手術を受けたこと、その後エネルギーヒーリングのセッションを受けたことをブログに書いた。私の経験が誰かの役に立てばいい、と思ったからだ。だから、がんを経験したことによる自分の成長が長年、ブログを読んでくださっていた方に伝わっていたことはとても嬉しかった。
セミナーにはがんを経験されたという方が何人も参加してくださった。そういった方々に自分に活力を与えてくれたエネルギーヒーリングのエクササイズや瞑想を伝えることは大きなやりがいだった。セミナーを重ねるうちに、がんを経験した自分だからこそ、伝えられることがある、と思うようになった。
エネルギー・ヒーリングの師Master Del Peは著書「エンライトメントのための12のルール 12 rules to achieve Enlightenment」でこう書いている。
「人は弱みを克服し、新しい分野でそれを強みに変えることができる。」
病気は弱みであり、隠しておくべきもの、と思われがちだ。だが、病気を乗り越えた先では、その経験は強みに変わる。
セミナーを行っていくうちに、がん経験はヒーラーになる上で私の強みだと確信した。それを教えてくれたMaster Del Peとそのチーム、そして私に学ぶ機会を与えてくれたセミナー参加者の方々には本当に感謝している。
筆者紹介:星屋智(ほしやちえ)
ブログ:Heal your energy 心と体を整えるエネルギーヒーリング・エクササイズ・瞑想
2013年から、フィリピン・マニラ在住。現地でヨガインストラクター、オンライン日本語教師として活動。
2021年 乳がんと診断され、手術、治療。治療の過程でエネルギー・ヒーリングと出会う。
2022年 World institute for incurable diseases (WIID)認定エネルギー・ヒーリング アソシエートスペシャリストの資格を取得。
オンラインでエネルギー・ヒーリングのセッションを行っている。
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