
『長い年月、妻として、母として、家族に合わせ、他人に合わせてきた女性たちは、自分との付き合いは下手になっているかもしれません。自由になる時間が増えた今、「自分づき合い」が上手になるよう、このノートで「自主練」を始めませんか?いきなりひとり上手にはなれないにしても、練習だったら誰でも、どこでも、いつでも始められるのですから。』(巻末とじ込み付録「中山庸子さんのひとり上手の幸せ練習帳」より)
今まであまりひとりで出かけなかった人や、もっとひとりを楽しみたいと思っている人に「自主練」ノートのススメ。
「自主練」ってハード?と怯えなくても大丈夫。中山さんの描くステキなイラストとエッセイが優しくそっとひとりのわたしの背中を押してくれる。
「ひとり力を鍛える」この言葉からわかるように、「ひとりでいる」ことはじつは「力」のいることだと実感する。自由に、気ままに、気の向くままに、には、けっこう力を要するものだ。ひとり旅に行ってみるとよくわかる。友人や姉妹といっしょなら、よほど頼られ任せられてる場合は除いて、二人で計画したり、調べたりできる。
「あなたはそっちを調べててね、わたしこっちを調べておくから」と同時進行で行きたいところへ辿り着くための手段、見どころ、おいしい食べ物を調べられる。なんなら時間は半分で済むかもしれない。ひとりはそう、それはもうぜんぶ自分の力で、便利なスマホもガイドブックも使うのだけど、記憶するのも自分が頼りとなるわけで、「あれ、なんだったっけ」と言ってもだれも答えてくれない現実と向き合う。
そんなときはすこしだけ勇気を出して、旅先で知らない人に「景色のよいおすすめの場所は?」と尋ねてみるのもいいし、落ち着くカフェを見つけたらのんびりひとりの時間をゆっくり過ごすだけでもいい。そんな自分を楽しめる時間づくりがひとり力を鍛える第一歩になるのかもしれない。
ひとりの老いを心丈夫に生きるヒントとは?「機嫌よく過ごせればそれでいい」と上野さん。だれでも最後はひとりになる時代。編集部が「この本には、そのためのヒントをぎゅっと詰め込みました」と推す「ゆうゆう」保存版。その気になったらチャンス。
もちろん、おひとりおひとりのペースで大丈夫。ひとり力を鍛えることはいつからでも始められる。
■堀 紀美子■
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