
今年で60冊目! 特集「気候危機は、子どもの権利の危機」
今年も命の危険を感じるような暑い日が続いています。おとなでもぐったりするような暑さですが、体が小さい子どもは地面からの放射熱を受けるため、大人よりも体感温度が数度高いと言われています。暑さに加え、国内外では豪雨や乾燥による自然災害も多発しています。こういった自然災害や環境の劣化の被害を最も受けやすい存在であるのも子どもたちです。
今年の子ども白書では、「気候危機は、子どもの権利の危機」を特集のテーマとし、気候変動をはじめとする環境破壊がもたらす子どもたちの危機を取り上げました。
異常気象の原因や被害予測、今何が必要なのか。気候変動の解説で知られる江守正多(東京大学)さんのインタビューでは、分かりやすく解説されています。また保育や学校、療育や学童保育の現場で、気候変動が子どもたちの日常が脅かしている実態も報告されています。ほかにも、若者の声や最前線の実践事例まで幅広く取り上げました。「気候の危機」と「世代間の不公正」の問題を、多面的に掘り下げた特集は、読みごたえがあり、かつわかりやすいと好評いただいています。
また、小特集や最前線では「能登半島地震における子ども支援」や「『トー横』問題と子どもが抱える生きづらさ」、ウクライナやガザ地区など「紛争地における子どもたち」について取り上げています。
さらに「子どもをめぐるこの1年」コーナーでは、10の専門領域(いのちと健康、家庭、福祉、保育・学童保育、司法、学校、地域社会・まち、文化、メディア、ジェンダー・セクシュアリティ)で、子どもたちの〝今″をとらえました。各分野における専門家や実践者、研究者による幅広い視点での論考を掲載しています。
子ども白書は、1964年の創刊以来、今年度版で60冊目を迎えた民間発のホワイトペーパーです。毎年、最新のトピック分析や実践紹介、各種データ、年表資料、子ども・若者たちの声を掲載。子どもとともにいるすべての人に手に取ってほしい一冊です。
◆◆もくじ(一部)
【巻頭言】子どもたちは訴える 持続可能な環境は私たちの命/増山均
【特集】
・気候変動は領域を横断するテーマ/森本扶
・今なぜ『子ども白書』で気候危機なのか/野田恵
・国連子どもの権利委員会の「一般的意見26号」/丸山啓史
・〈インタビュー〉江守正多
「気候変動を解決するために 行動する子どもたちの声を聞き、共感を広げよう」
・〈座談会〉日下部未樹・安藤史郎・藤井美保・松元若菜
「気候変動の影響、環境破壊への対策 保育・療育・学童保育・小学校の現場から」
・気候変動ムーブメントに参加して/松田のぞみ
・無関心とバッシングを超えて/宮﨑紗矢香
・気候変動をめぐる世界の小児科医の関心と日本の現状/武内一
・先住民族の環境・文化・権利を考える/小泉雅弘
・昆虫の減少がつげる生物多様性危機/角谷拓
・有機給食がつくる農と食の民主主義/関根佳恵
・自然の原体験をすべての子どもへ/浅岡永理
・地域ぐるみの自然保護と子どもへの環境教育/森田(島﨑)茉莉子
・服(ファッション)と人権・環境問題/八木亜希子
【小特集】いま、子どもの声を〈きく〉
・こども基本法・こども家庭庁を読み解く/阿比留久美
・子どもの居場所づくりとやさしい社会/加賀大資
・こども大綱/前田正子
・「こどもの居場所づくり」指針をめぐって/小林由枝・土肥潤也
【子ども最前線】
・「トー横問題」と生きづらさ/希咲未來・荒井佑介
・戦争に巻き込まれる子どもたち(ウクライナ、ガザ)/横山由利亜・和泉羽美
・「子ども・子育て支援金」/北明美
・フランスにおける共同親権/安發明子
◆書誌データ
書名 :『子ども白書2024』
編者 :日本子どもを守る会
頁数 :192頁
刊行日:2024/8/1
出版社:かもがわ出版
定価 :3080円(税込)
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
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