AI時代の生き方を考えるための本 AIのしくみや歴史から、生成AI、社会的影響、倫理的問題まで

本書の企画編集を担当した中村円香です。
2024年8月26日に図書館向け書籍『AIの世界へようこそ』(著:美馬のゆり)を発売しました。

AI技術が発達し、私たちの日常生活に深く浸透してくる中で、「AIに仕事を奪われるのではないか?」という不安を抱く人が増えています。この懸念は研究者の間でも意見が分かれており、「そんなことはありえない」という意見もあれば、「仕事を奪われる可能性がある」という意見もあります。AIの未来は、研究者でさえ明確な答えを持てないのが現実です。

このため、著者は、AIのしくみや私たちの生活に与える影響を正しく理解することの大切さを訴えています。AIと共に生きる未来を予測できないからこそ、私たちは「AIの正しい使い方」を模索し、自ら基準を設けていかなければなりません。基本的な知識を身につけ、AIがもたらす影響や未来を一人ひとりが考える必要があります。

例えば、AIが日々のタスクを効率化することで、私たちが「自分で考える時間」や「新しいことを発見する機会」を手放してしまうことになる可能性があります。AIによる便利さの背後には、人間として大切にしたい感覚や体験が失われるリスクも潜んでいます。著者は、私たちがそのことに自覚的になるべきだと警鐘を鳴らしています。

本書の核には、「あなたもチェンジメーカーになれる」という強いメッセージがあります。AIは社会を大きく変える力を秘めていますが、それを良い方向に活用できるかどうかは私たちにかかっています。より良い未来をつくるためには、積極的に議論に参加し、自ら行動を起こすことが求められています。そして、声を上げにくい人々の意見や感情を拾い上げ、すべての人々の権利を守ることは、私たち人間にしかできない貴重な取り組みです。

この本は小中学生向けに書かれていますが、AI時代を生きるすべての大人にも読んでほしい内容です。本書を通じて、AI時代を人間らしく、自分らしく生きるためのヒントを得ることができるでしょう。これからの時代をどう歩んでいくのか、じっくりと考えてみてください。

<「はじめに」のためし読みはこちら>
https://hon.gakken.jp/book/1450142900

本書の特徴
■AIの基礎知識がまるごとわかる!
この本では、AIの歴史から最新のAI技術、そして社会にどんな影響を与えるかまで、幅広く紹介しています。これを読めば、AIについての基本的な知識がしっかりと身につきます。また、AIが抱える倫理的な問題や未来の可能性についても触れているので、考えを深めるきっかけにもなります。

■イラストや図解が豊富でわかりやすい
やさしい言葉で説明し、さらにたくさんのイラストや図解を交えることで、視覚的にも理解しやすく工夫しています。

■AIを体験できるScratchゲームつき
この本には、Scratchを使った体験コーナーもあります。簡単なゲームを通じて、AIがどのように動くかを実際に体験することができるので、理論だけでなく、実際の体験を通してAIのしくみを学ぶことができます。

■AI時代を生きる次世代の指針となる1冊
AIが進化する時代に、私たちがどのように幸せを追求し、どんな未来を目指すべきかについても紹介しています。AI時代を生きるための大切な考え方を、この本を通じて学ぶことができます。

【目次】
第1章 AIの時代がやってきた
01 AIってどんなもの?
02 AIが「学習」するってどういうこと?
03 AIの時代はもう始まっている!
04 「生成AI」とは?
05 AIで私たちはどう変わる?
 
第2章 AIの歴史を知ろう
01 AIの始まり
02 第一次AIブーム
03 第二次AIブーム
04 第三次AIブーム
05 体験してみよう! AIの働き
06 AIが投げかける問い

第3章 AIのリスクを知ろう
01 AIはいつも正しいとは限らない
02 AIが有害となる場合とは

第4章 AIとどう生きる?
01 AI時代の幸せとは?
02 どんな未来を創りたいか
03 AIと生きるあなたへ

第5章 さあ、歩きだそう! ~AIと生きる未来を考えるワーク~
ワーク01 公園で安全に遊びたい!
ワーク02 検索が進化したら?
ワーク03 集めたデータを使って、公園のルールをつくろう

<書籍に関する詳細はこちら>
学研出版サイト
https://hon.gakken.jp/

◆書誌データ
書名:AIの世界へようこそ 未来を変えるあなたへ
著者:美馬のゆり
頁数:104
刊行日:2024/8/26
出版社:Gakken
定価:5,280円(税込)

AIの世界へようこそ: 未来を変えるあなたへ

著者:美馬のゆり

Gakken( 2024/08/26 )