2013.02.24 Sun
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.文化大革命中の中国から国交回復前の日本へ、『北京日報』記者として派遣された外交官の日記全訳である。
中国外交部最初で最後の「外交官特派員」が、政財界とマスコミ各社の要人の訪問を受け、新左翼学生や労働者・農民を訪ねた取材日誌で、国交回復裏面史としての史料的価値は高い。
また、高度成長期の日本観察日誌としても、読みごたえがある。
マイノリティに対する中国独自の関心、「女性上位」時代への著者の好奇心もうかがえる。
1970年10.21「国際反戦デー」には、ヘルメット姿の女性達が「人工流産費用は国庫で負担せよ!」「おかあさん、結婚って本当に幸せなの?」などのプラカードを掲げて登場し、翌月の自衛隊創設20周年記念日には、ミニスカートの女性自衛隊員が銀座で宣伝活動を行った、と記されている。
日本の大国主義化と軍国主義復活が警戒され、公害・交通地獄・出稼ぎ問題・受験地獄・拝金主義等々が批判的に描かれている。
現在の日・中が逆転写されているようで、40年間の変化のほどが実感できる。
特に象徴的だったのは、日記でも言及されている通り、日比谷公会
あの当時を知る人々にとっては、行間を読み取って余りある1冊となるに違いない。
目次
日本語版への序
第一部 1970年1月~1970年9月 はじめての日本
第二部 1970年10月~1970年12月 中国承認の「なだれ現象」
第三部 1971年1月~1971年9月 周恩来外交の本領
第四部 1971年10月~1971年12月 中国、国連復帰
第五部 1972年1月~1972年6月 ニクソン訪中
第六部 1972年7月~1972年12月 田中内閣成立・日中国交回復
第七部 1973年1月~1978年4月 日中国交回復後はじめての新年とその後
解説
日記本文の他に、「田中角栄の人となり」「日米首脳会談に対する見方」「中日共同声明発表後の日本の官民の表情」「日本の「青嵐会」の状況について」「日本公明党の「表」と「裏」」など、内部報告として中国外交部に提出された文書と、中曽根康弘との秘密会談録などが挿入されている。(福岡愛子 監訳者)
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