女の本屋

views

711

『「日中国交回復」日記――外交部の「特派員」が見た日本』 王泰平著/ 福岡愛子監訳

2013.02.24 Sun

「日中国交回復」日記 外交部の「特派員」が見た日本

著者/訳者:王泰平

出版社:勉誠出版( 2012-10-15 )

定価:

Amazon価格:¥ 5,400

単行本 ( ページ )

ISBN-10 : 4585220445

ISBN-13 : 9784585220442

amazonで購入

▲画像をクリックすると購入画面に入ります。ここから購入してWANを応援しよう!


文化大革命中の中国から国交回復前の日本へ、『北京日報』記者として派遣された外交官の日記全訳である。

中国外交部最初で最後の「外交官特派員」が、政財界とマスコミ各社の要人の訪問を受け、新左翼学生や労働者・農民を訪ねた取材日誌で、国交回復裏面史としての史料的価値は高い。

また、高度成長期の日本観察日誌としても、読みごたえがある。
マイノリティに対する中国独自の関心、「女性上位」時代への著者の好奇心もうかがえる。

1970年10.21「国際反戦デー」には、ヘルメット姿の女性達が「人工流産費用は国庫で負担せよ!」「おかあさん、結婚って本当に幸せなの?」などのプラカードを掲げて登場し、翌月の自衛隊創設20周年記念日には、ミニスカートの女性自衛隊員が銀座で宣伝活動を行った、と記されている。

日本の大国主義化と軍国主義復活が警戒され、公害・交通地獄・出稼ぎ問題・受験地獄・拝金主義等々が批判的に描かれている。
現在の日・中が逆転写されているようで、40年間の変化のほどが実感できる。

特に象徴的だったのは、日記でも言及されている通り、日比谷公会堂で演説中に右翼の兇刃に倒れた元社会党委員長を追悼して作られた記念像が、かなり前から封印されていることである。監訳者として何度も調査を願い出て、ついにホール壁面の掲示板のロックを解いてもらい、その下に隠されていたレリーフ像と碑文を確認した。

あの当時を知る人々にとっては、行間を読み取って余りある1冊となるに違いない。

目次
日本語版への序
第一部 1970年1月~1970年9月 はじめての日本
第二部 1970年10月~1970年12月 中国承認の「なだれ現象」
第三部 1971年1月~1971年9月 周恩来外交の本領
第四部 1971年10月~1971年12月 中国、国連復帰
第五部 1972年1月~1972年6月 ニクソン訪中
第六部 1972年7月~1972年12月 田中内閣成立・日中国交回復
第七部 1973年1月~1978年4月 日中国交回復後はじめての新年とその後
解説

日記本文の他に、「田中角栄の人となり」「日米首脳会談に対する見方」「中日共同声明発表後の日本の官民の表情」「日本の「青嵐会」の状況について」「日本公明党の「表」と「裏」」など、内部報告として中国外交部に提出された文書と、中曽根康弘との秘密会談録などが挿入されている。(福岡愛子 監訳者)








カテゴリー:著者・編集者からの紹介

タグ:憲法・平和 / / 文化大革命 / 反戦運動