2013.06.04 Tue
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.これは「WANから生まれた本」です。2009年の晩秋にWANの方からエッセイ連載のお話しをいただきました。「慰安婦問題のことなどをわかりやすく」ということでしたが、私は即、「女たちの韓流」というタイトルで「韓国ドラマについて書きたい」とご提案させていただきました。
考えてみると、韓国に留学していた90年代なかばからずっと、私は韓国ドラマを見ながら生きる元気を養ってきました。風邪をひけば薬を飲んで快復しようとするように、ドラマを見ては日々の疲れをとってきたのです。そして、日本の地で見るようになってからは、興味深く見ているドラマの韓国的脈絡や背景について「日本の人たちに伝えたい」と、強く思うようになりました。ですから、この連載はその長年の思いを実行に移す絶好のチャンスとなったのです。
こうして2010年2月から毎月一回のペースで、楽しく書き続けてきました(とはいえ月末には、きまってぐうたらな自分にムチを打ち、ねじり鉢巻きの状態になりますが)。ドラマはたいてい映画の数倍、数十倍の長さです。一本のドラマを見るのに一年以上かかることもありました。そんな風に見てきた愛着のあるドラマを一本一本紹介してきたつもりです。本書には、この連載の中から25編を選んで収録しました。いずれも私の「おすすめドラマ」です。
ドラマでつなぐ女たちの縁、隣人との縁、そして元気。そんな思いを本書に込めました。そして、本書の帯にある「韓国の今がわかる!」というキャッチコピーのように、これを読めば、今日の韓国社会を身近に感じていただけると思います。ドラマファンはもちろん、忙しくてドラマを見る時間のない方、ドラマには興味がないという方々にも、ぜひ読んでいただきたいです。(著者 山下英愛)
*b-wan 店長より
『女たちの韓流--韓国ドラマを読み解く』を、WAN会員の方7名にプレゼントいたしますので、どうぞふるってご応募ください。詳しくはこちらから
なお、応募は現在NPO法人会員である方に限ります。入会方法については、こちらをご覧ください。
~本書の内容~
はじめに
第一章 貧しさと暴力のもとで――九九〇年代のドラマに描かれた女たち
1 韓国的美徳を支える女性像――「初恋」
2 貧困と暴力に耐える人々――「私が生きる理由」
3 女性と貞節――「波濤」
4 裏切りと復讐――「青春の罠」
第二章 家族の中の女たち――血縁と性別役割に縛られて
1 仕事と家事の両立――「彼女の家」
2 実母の恨――「悲しみよ、さようなら」
3 家族の絆と母親像――「空くらい地くらい」
4 主婦のストライキ――「母さんに角が生えた」
第三章 母親の権利をもとめて――戸主制の問題を描いたドラマ
1 未婚の母の苦悩――「冬のソナタ」
2 戸主制下の女たち――「あなたはまだ夢見ているのか」
3 赦しと和解の物語――「黄色いハンカチ」
4 キャンディレラ物語――「がんばれ! クムスン」
第四章 母も子も地獄――少子化時代の子育て
1 格差社会の熾烈な競争――「江南ママの教育戦争」
2 働く母親の育児事情――「ワーキングママ」
3 シングルマザーの夢と欲望――「manny(マニー)――ママが恋したベビーシッター」
第五章 急増する離婚の中で――したたかに生きる女たち
1 故崔真実を悼んで見るドラマ――「バラ色の人生」
2 性と愛と結婚の連立方程式――「私の男の女」
3 離婚後の苦悩――「お隣さんは元ダンナ」
第六章 雑草のように生きる――涙と笑いで突き進む女たち
1 自らの力で人生を切り拓く――「威風堂々な彼女」
2 女性キャラクターの革命――「私の名前はキム・サムスン」
3 感性をくすぐられるドラマ――「コーヒープリンス一号店」
4 同名異人の物語――「ブッとび! ヨンエさん」
第七章 リーダーシップをつかめ――社会で活躍する女たち
1 韓国の“新しい未来”を夢見る――「シティーホール」
2 男性中心政治を覆す迫力――「善徳女王」
3 女性大統領の物語――「レディプレジデント――大物」
あとがき
ドラマ一覧
写真出典一覧
索引
カテゴリー:著者・編集者からの紹介
タグ:DV・性暴力・ハラスメント / ドラマ / 本 / 貧困 / 韓流