2013.06.24 Mon
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.ベル・フックスは、現在アメリカ合衆国で最も注目されるカルチュラル・スタディズの研究者にして批評家。文学、映画、美術、音楽、建築など広範な守備範囲と、複雑な概念も分かりやすく、かといって読者の怠惰におもねる「読みやすさ」に堕することなく論じる聡明な文章が魅力です。
本書には、主にアフリカ系アメリカ人、特に女性のアーティストによる芸術について論じた批評と、現在活躍する6人のアフリカ系アメリカ人の女性アーティストとの対談が収められています。
日本ではまだ知られていない魅力的なアーティストたちが、その魅力のあり所とともに、フックスによって紹介され、アフリカ系アメリカ人アートの歴史、そのアメリカ美術界全体の中の位置付けも見えてくるしくみです。費用の問題で図像が大きくカラーで入れられなかったのは残念ですが、インターネットでアーティストを検索して、図像を見ていただくなどのフォローをしてもらえれば嬉しいです。
表紙デザインに使用したのはエマ・エイモスの作品「ゴーギャン夫人のシャツ」。英語オリジナルの表紙とはちがう、日本語オリジナルのデザインです。本文中の他の図版とともに、快く使用を許可してくださったエイモスさんに感謝です。この女性はエイモス本人、小さくてわかりにくいのですが、彼女の着ているTシャツに、ゴーギャンの有名な「二人のタヒチの女」の左側の女性のボディの部分がプリントされています。(この女性は「ゴーギャン夫人」ではないのですが、エイモスはあえて、彼女のことを「ミセス・ゴーギャン」と読んでいるわけです。)西欧の男性芸術家と、彼に見られ、描かれる非西洋の女性、という絵画の伝統の中の力の構造を撹乱するユーモラスな身振りと、色の美しさがすてきだと思います。
フックスの対談の相手は、このエイモスや、写真家のキャリー・メイ・ウィームスなど、アメリカではすでに著名ながら、日本でもっと知られてほしいアーティストばかり。批評のほうも、比較的よく知られたジャン・ミシェル・バスキアの絵画や、貧しい黒人の生にとって写真の意味するもの、貧困者用の集合住宅に住むことの政治的意味など、洞察に富む論考がスリリングです。
図版のこと等色々苦労はあったのですが、翻訳しがいのある力作で、自分でも愛着のある一冊となりました。
お手にとっていただければ幸いです。 (訳者 杉山直子)
カテゴリー:著者・編集者からの紹介
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画






