女の本屋

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『感情労働としての介護労働』 吉田輝美

2015.01.03 Sat

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.介護サービス従事者の実態と苦悩を一人でも多くの方がたに知っていただければという思いが、本書を上梓する原動力となった。

なぜ介護労働者の賃金は安いのだろうか。社会的地位が低いからだろうか。では、社会的地位を低くしている要因は何だろうか。介護サービス従事者の大半が女性だからだろうか。女性の労働だから専門性は不要と思われているのだろうかなど、介護労働について語り始めると堂々めぐりの議論になってしまう。

本書ではこれらのすべての疑問に答えることはできなかったが、介護サービス労働は、単純労働ではない感情労働であると主張することはできた。

介護サービス従事者たちは利用者やその家族から傷つく言葉を受けながらも、その求めに応じて適正に自己の感情を管理し、相手にも快い気持ちになってもらうよう努力を惜しまないでいる。しかしながら、介護サービス従事者には傷ついた自己の感情に対する組織からの支援もほとんどなく、相手に快い感情をもってもらうための技術研修も十分でなければ、管理者にそのような研修の必要性についても理解されていない。介護サービス従事者の感情管理について、職場は本人の自己努力に全面的に依存している。上手く感情コントロールができなければ、それは個人の能力のせいだと言われてしまう。このように、介護労働は介護サービス従事者たちの犠牲のうえに成り立っているのが現状である。そこで本書では、介護労働が単純労働ではなく、高度な感情管理が求められる労働だということを、実態調査を通じて明らかにした。

介護される人もする人も、すべての人が幸せを感じることができる労働として、介護労働を成り立たせていかなければならない。(著者 吉田輝美)








カテゴリー:著者・編集者からの紹介

タグ:仕事・雇用 / / ケア / 介護 / ケアワーク

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