お助け情報

views

1098

相談3回答

2011.09.21 Wed

実は、あなたのような質問をお寄せになる方は近頃かなり多いのです。私は「女性労働協会」という女性の就業支援や母性健康管理を主な事業内容としている財団法人の専務理事をしているのですが、こちらの財団にもしばしば求人のお問い合わせを頂くことがあります。ですから「これからの人生は自分のすべてをそれにかけてまでなんとかしたい」とおっしゃるあなたのお気持ちもよくわかります。

ただ、個人のキャリア開発という視点で考えると、新卒でいきなり女性支援に特化した組織で働くことは、必ずしもお勧めしません。というのも、あなたが今後この分野にこだわって仕事をしていきたいとお考えであればなおさら、「まず一般の日本の会社(もしくは組織)で働いてみる」という経験があった方が後の仕事に幅と深みがでると思うからです。現在、多くの会社や組織は「男性中心」の論理で回っています。そこで理不尽だと思う経験をするかもしれませんし、場合によっては予想外に良い上司に巡り会って学ぶことが多々あるかもしれません。いずれにせよ、まずは「普通の就職」をしてみてはいかがでしょうか? そして、そこでの仕事を通じて社会経験を積むと共に、余暇を使って女性支援に関連した活動を続け、さらには将来に向けて着実な貯蓄も心がけてください。というのも、もしあなたが本当に女性支援に関する仕事をしたいという気持ちを貫こうとしたら、次の仕事はNPOをはじめとする非営利組織となる可能性もあるので、その場合収入ダウンも予測されるからです。

あなたがひとり暮らしで経済的に自活する必要がある場合は、副業(例えば翻訳など)も必要になってくるかもしれません。しかし、一時的には収入が減ったとしても、仕事のやりがいには替えられないものがあるかと思いますし、おそらくは40代に入る頃にはキャリアを確立できるのではないかと思います。「えっ、やりたい仕事で生活ができるまで20年近くもかかるの?!」とゲッソリされたかもしれませんが、「まず定職(これは必ずしも「正社員」とは限りません)に就き、社会経験の獲得と貯蓄に励み、20代後半~30代で自分の目指す領域に転職し、専門性と人脈を育て、30代半ば以降から本格的に自分の専門領域を確立する」という大まかなタイムスケジュールを考えてみてはいかがでしょうか。今のあなたには時間はたっぷりあります。焦らずに少しずつ、着実に前進していってくださいね。

カテゴリー:キャリア相談

タグ:仕事・雇用 / no3 / 女性の労働 / 福沢恵子

ミニコミ図書館
寄付をする
女性ジャーナル
博士論文データベース
[広告]挑戦するフ>ェミニズム
> WANサイトについて
WANについて
会員募集中
> 会員限定プレゼント
WAN基金
当サイトの対応ブラウザについて
年会費を払う
女性のアクションを動画にして配信しよう

アフェリエイトの窓

  • データから読む 都道府県別ジェンダー・ギャップ──あなたのまちの男女平等度は? (...

  • 女の子のための西洋哲学入門 思考する人生へ / 著者:メリッサ・M・シュー / 2024...

  • 〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学 / 著者:小山内 園子 / 2024/11/11

amazon
楽天