2009.10.26 Mon
『女性情報』10月号の特集は、「09政権交代 女性の視点どこまで」と「変わるか? 高齢社会」。
今回の衆議院選挙では、女性議員が過去最多の54人となり、全議席の11.3%を占めた。1945年に女性が参政権を得て以来、初めて1割を超えたことになる。だが、この数字は「列国議会同盟」のランキングでは、187カ国中120位にとどまり、欧米は勿論、中国(21.3%)、韓国(13.7%)より下回っており、まだまだ後進国から抜けてはいない。
総選挙で野党が単独過半数を得て、政権交代が実現したのも戦後初めてのこと。9月16日に発足した鳩山連立内閣が掲げる「脱官僚依存」を始めとするマニフェストの内容や、これを守っていこうとする、各大臣の仕事ぶりと心意気も、長年政権を取ってきた自民党とは様変わりの、新鮮さを覚える。新聞やテレビで次々に報道されるニュースを見ていると、やっと、国民の側が常識と考えていたことが、政治の世界でも通じるようになったのかな、とちょっと期待したくなる。
女性の側から言えば、「母子加算」の復活、「選択的夫婦別姓制度」を導入する民法改正案、後期高齢者医療の廃止、そして民主党がマニフェストの目玉政策とした「子ども手当」と配偶者控除の廃止etc。「子どもを育てるのは親」と、親に全ての責任を負わせるのではなく、「子どもは社会が育てるもの」とする基本的な考え方が打ち出されたのも初めて。そして、「配偶者控除の廃止」は、予算的な問題だけではなく、女性たちにとっては大きな意味を持つ。専業主婦を優遇することで女性を家庭に縛りつけてきたこれまでの自民党の政策は、「男は仕事、女は家庭」の家族制度を推進する大きな役目を果たしてきた。テレビに出演した岡田外相の「専業主婦になるか、仕事を持つかという、女性のライフスタイルの選択に国が介入すべきではない」との発言に、思わずエールを送りたくなった。
(パド・ウィメンズ・オフィス『女性情報』編集長・内田ひろ子、10月号扉記事より)
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