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連続座談会:アジアの女性労働と貧困-大学の有期雇用問題から考える にご注目を
2011.04.06 Wed
生活保護切り下げに反対する実行委員会
連続座談会第11弾
アジアの女性労働と貧困
-大学の有期雇用問題から考える
日時:2011年5月8日(日)午後2~4時
場所:ふるさとの家(西成区萩之茶屋3-1-10)
講師:嶋田ミカさん (龍谷大学雇い止め事件原告)
最近、多くの大学で「高学歴ワーキングプア」と称される非正規の教員が増加し、有期雇用や「雇い止め」が横行しています。しかし、ほとんどの人が次の就職などを考え、泣き寝入りせざるを得ないでいます。龍谷大学特別任用教員助手の嶋田ミカさんは、2010年3月、「雇い止め」を通告されました。嶋田さんは2007年4月に経済学部サービス・ラーニング・センターに3年契約(1回更新可)の助手として採
用されましたが、大学当局から何らの理由も明らかにされることなく、単に「期間終了」というのみで解雇されました。嶋田さんは、龍谷大学教職員組合を通じて大学当局と交渉を続けてきましたが、大学当局の態度は全く変わりませんでした。嶋田さんは今回の雇い止めは、あまりに理不尽であると考え、京都地方裁判所に提訴することにしました。
嶋田さんは途上国の、特に女性の貧困問題の研究を続け、インドネシアの貧困女性を対象にマイクロ・クレジットを供与する活動も続けています(裏に原稿「女性の貧困の連鎖―雇い止めとマイクロクレジット」)。途上国の貧困は依然として深刻ですが、経済的なグローバル化の中、日本の大学の雇用問題についても貧困やワーキングプアの問題が押し寄せてきています。それらを別々に考えるのではなく、途上国と先進国の人々が互いの違いを理解しながら、共に問題に取り組むことがあらためて求められています。
今回の座談会では、「大学における有期雇用問題・龍谷大学雇い止め事件」について、そして「アジアにおける労働力の女性化」として、・現代の奴隷制-海外出稼ぎ女性の実情、・稼ぎ手化する女性たち、・来日看護士介護福祉士をめぐる諸問題、・「ホームレス」と「物乞い」など、日本とアジアの女性の労働と貧困をめぐる様々な問題について話し合っていきたいと思います。
★託児・筆談の必要な方は事前にご相談ください。cex38711@syd.odn.ne.jp
★ふるさとの家への行き方
JR大阪環状線新今宮駅東改札を出て右折→交差点を南(作業着量販店側)に渡って
右折→西向きに歩いて線路を横切る→ローソンの前の道(銀座通り)を左折→右手に
西成警察を見ながら南下→左手に消防署→そのすぐ南の建物
当日連絡先:090-8795-9499(野宿者ネットワーク)
主催:生活保護切り下げに反対する実行委員会
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女性の貧困の連鎖―雇い止めとマイクロクレジット―
龍谷大学雇い止め事件 原告 嶋田ミカ
2010年3月、龍谷大学経済学部特別任用教員助手だった私は、雇い止めになりました。
大学当局は採用時に1回更新可と明言していたにも関わらず、今日に至るまで、明確な理由を示していません。
私の専門はインドネシアの女性労働です。中部ジャワの小さな市場で、野菜や惣菜を作って売る零細な女性商人の調査をしてきました。彼女たちは早朝から夕方まで市場であるいは行商で売り歩いても、米1kg分の収入にしかなりません。労働力の女性化が進んだ結果、途上国女性の多くは、このような「ワーキングプア」の状態にあります。男性は、零細な農業や日雇い労働などの不安定で不完全な仕事しかありません。
実質的に貧しい一家を支えているのは、女性なのです。
1997年のアジア経済危機以降、女性の負担は一層増えました。この苦境を目の当たりにして、1999年12月から、女性商人に対して無利子の融資を始めました。それまでは、いくつもの月利20%の高利貸から運転資金を借りて、わずかな稼ぎが利払いに消えてしまう女性も珍しくありませんでした。でも、無利子の貸付を始めてからは、次第に高利貸から脱却し、事業も生活も安定してきました。
現在、100名ほどの女性商人に融資していますが、返済率は99.4%とグラミンバンクを上回っています。グラミンバンクの貸付は年利20%ですが、私たちは無利子です。援助である以上、無利子は当然だと思います。また、借り手一人一人と信頼関係を作り、事業経営や家計状況などを把握していることも、高い返済率に繋がっていると思います。現在、多くの女性商人に貯蓄の余裕が生まれ、売れ行きが悪い日の運転資金にしています。条件さえ整えば、彼女たちには貯蓄をする意欲も能力もあるのです。返済は日賦で、貸付や返済の集金は、3人のスタッフが担当しています。彼らの給料などクレジットの運転資金は、私個人が負担してきました。3人とも正直で誠実な人たちで、10年間金銭的なトラブルはありません。国と国の国際協力ではなく、アジアの女性同士が手を繋ぐ「民際協力の試み」 です。
しかし、私が雇い止めになったことで、順風満帆だったマイクロクレジットが危機に瀕しています。無職無収入になってしまった今、どうやってスタッフの賃金を払い、雇い続けていけばいいのか、途方にくれています。このままでは、「雇い止めの連鎖」になってしまいます。途上国で特徴的だった貧困とワーキングプアが、経済のグローバル化によって、先進国の大学の現場にまで押し寄せてきたのです。
また、せっかく高利貸から脱却した100名の女性たちは、無利子のクレジットがなくなればいったいどうなるのでしょう? 再び、高利貸しの借金地獄に陥れば、家族の生活までも悪化してしまいます。
7月5日、理由無き雇い止めの撤回を求めて、京都地裁に提訴しました。幸い、「雇用継続を求める会」 という支援組織ができて、多くの皆さまの賛同をいただきました。
その中には「他人ごとではない」「事情があって、声を上げられない」「雇い止めで人生を絶たれた」などの悲痛な声が寄せられています。私は皆さんのご協力を得て、なんとしても雇用継続を勝ち取らなければいけません。大学の有期雇用問題改善のためにも、また、ジャワの女性商人の貧困緩和のためにも・・・
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