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韓国旅行記 高林実結樹

2012.01.15 Sun

お正月の気分も抜けやらぬ2012年1月8日に関空から出発。韓国のスリーA教室見学を終えて、11日に無事帰宅しました。

韓国にスリーAが渡った経緯から簡単に報告をいたします。 先ずソウルの江南大学で社会学の教鞭を執っておられた佐々木典子(のりこ)さんの情報収集力に始まりました。韓国から、「WAN」のサイト団体報告に載せた拙文を読まれて、認知症予防ゲーム(スリーA方式)テキストを購入され、大学のゼミ生を相手にテキストの研究を始められました。 宇治にも訪ねてこられ意気投合し、夏休みには社会人学生3人を伴って、実際の教室「スズメの学校」(京都市伏見区)で実習をされました。

実習に来られたメンバーが、現在では毎週スリーA教室、2期目の実施担当をしておられます。教室の会場は、佐々木さんの知人で、韓国では認知症研究の第一人者であり、日本で講演もされた李聖姫さんが運営されている老人施設「たんぽぽデイケアセンター」です。 初日 ソウル市松坡区馬川にある「たんぽぽデイケアセンター」へ教室の見学に行きました。リーダーさんの雰囲気作りが素晴らしく温かく優しくて、同行者が「これぞスリーAだ」と感動してくれました。

同行者の一人はテキストを作ってくれた中西豊子さんで、もう一人は教室を実施中の下関の同志・田中さんです。二人から合格をもらって私はすっかり嬉しくなりました。 中西さんはテキストの電子書籍化の実現だけでなく、韓国の「シニア連合」生みの親であるシンヨンジャ様を佐々木さんに紹介してくださいました。 韓国での今後のスリーA推進運動にとっては、大きな力が加わるに違いありません。

シンヨンジャ様ご自身が認知症の介護家族だったことも今回知りました。認知症の家族介護体験を持たれる有力な方が、スリーAの良さを知ってくださったのです。大きい結果を招くに違いないではありませんか。これからの発展に期待を持ちました。

施設でお土産にいただいたDVDのジャケットには、「シーツ玉入れ」と「1から10」のゲーム写真が刷り込まれてあります。日本のどの教室とも全く同じ雰囲気で、国情や文化の違いなどは微塵も見えません。ところが帰宅後見ようとしたところ、電波状況が異なるためか、再生不能という文字が出て視聴ができません。残念!!

昼食は学生さんたちとの交流会。夕食は教室スタッフたちとの交流会でした。

二日目 李王朝時代には宮廷の女官たちが漢江のほとりで「喝道」の発声練習をしたと伝えられています。なぜ漢江の畔なのか、長い間不審でした。女官達の気持を推測したかったので、漢江の畔に立たせてもらいました。満々と湛える水面はあくまでも悠久で、時代や背後の全ての雑念を消し去る力を持っていました。向こう岸は遠く靄っています。この漢江の気に触れ、誘われるように私も自然に発声儀礼の練習をさせていただくことができました。認知症予防、スリーAが根付きますように。祝福あれ、です。

午後は王宮に於ける祭祀の際に行われた「祝声三」について聞き伝えておられる古老のかたに教えを請いたい願いが叶うかに見えたのですが、ご本人は90歳を過ぎておられ代わりに王族の一員の方をご紹介いただくことが出来ました。しかし李王朝の時代は遠い過去であり、実際の片鱗を聞かせていただくことは断念しなければなりませんでした。望は絶ち難いのですが、今回は結縁が難しかったのです。なお女性は国家祭祀には列席しないことを教えて頂きました。儒教のお国柄と思いました。

昼食は日本食をと回転寿司。韓国の握り寿司は、ネタが日本と違っていてそれぞれ格別でした。夕食はシンヨンジャ様のご招待に預かりました。

三日目 温暖だった気温が最終日には零下8~10度。冷蔵庫よりも寒い屋外を歩きまわりました。池の水が底から凍っているような色だと感じました。李王家三代目の王様から14代目の後裔にあたられる李貞根氏は宮廷儀礼を保存するための写真家となっておられるので通常の案内係りよりも遙かに心のこもった案内をしていただいたと思います。李王朝歴代の祖廟をご案内頂き、感激しました。

昼にはスリーAに携わっているメンバーのご自宅にご招待いただき、韓国の家庭料理に舌鼓をうちました。韓国でお会いした皆さんは実にスリーAに熱い眼差しを向けておられます。それだけでなく、皆さんから親身あふれるおもてなしに預かりました。毎日3人が口々に、「感動した」と繰り返し言い合いました。本当に心に深く残る旅行となりました。 四方八方に感謝です。 WANの存在にも大感謝です!

(認知症予防ネット 高林実結樹記) 

カテゴリー:認知症予防ネット

タグ:高齢社会 / 韓国 / 老後 / 認知症 / 高林実結樹