エッセイ

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「救済・支援・復興に男女共同参画の視点を」 東日本大震災に対応する第六次緊急提言

2011.04.25 Mon

★日本学術会議東日本大震災対策委員会からの緊急提言:平成23 年4月15 日
「救済・支援・復興に男女共同参画の視点を」 東日本大震災に対応する第六次緊急提言

東日本大震災について日本学術会議は、
3月18 日の幹事会声明「東北・関東大震災とその後の原子力発電所事故について」で、
この災害によって、日本の社会・経済システムがその設計と運用において
今後解決すべき多くの課題をかかえていることが明らかになったという認識を示した。

日本学術会議はついで、
4月5日の第三次緊急提言「東日本大震災被災者救援・被災地域復興のために」において、
「復旧・復興を通じて、男女共同参画を踏まえ、青年の参加を促進し、
子ども、高齢者、障がい者、外国人等への配慮とその参加を確保すべきである」
と提言している。

日本の社会・経済システムの課題として、男女共同参画やジェンダーに敏感な視点から、
より積極的かつ具体的に取り組むことが求められており、上記第三次緊急提言の内容を一層具体化し、
男女共同参画の視点にたって被災地域の救済・支援・復興を進めるために、以下のことを緊急に提言する。

(注)「ジェンダー(社会的文化的性別)」は、文化、エスニシティ、社会階級、
年齢、障がいの有無などによって、多様な現れ方をすることが知られている。
「ジェンダーに敏感な視点」は、ジェンダーをはじめとする人間の多様性に配慮する視点を指す。

1.男女共同参画および青年等の参加の促進については、
政府、自治体、政党、民間組織等において、救済・支援・復興等の意思決定をおこなう機関
(対策本部等)及び機会(避難所の運営、町内会での対応等)に、男女共同参画を徹底すること、
子ども、高齢者、障がい者、外国人等にあっても、性別等によりニーズは多様である点に十分に配慮すること。

2.物的支援に劣らず重要な対人ケアの活動において、不眠不休の活動にあたる
医療職・介護職・保育職、学校教諭や公務員など、ケアラーのケアを図ること。

3.上記第三次緊急提言では、「言語弱者に対する情報伝達への配慮」を提言しているが、
通信機器等の情報獲得手段の所有や操作にも関わって、言語をはじめ
種々の情報弱者が存在することを念頭に置き、多様なニーズを持つ人々に確実に届くよう、
きめ細かい情報収集と提供に努めること。

4、女性や子どもに対する暴力(性的暴力を含む)の発生が懸念されている。
政府関係省庁の局長級「被災地等における安全・安心の確保対策ワーキングチーム」は、
4月6日の「被災地等における安全・安心の確保対策について」において、
全国からの女性警察官の派遣等をはじめ、女性や子育てに配慮した避難所の設計、
避難所運営への女性の参画、女性の悩みや女性に対する暴力に関する相談サービス等の周知等を決定している。

この決定を迅速に実行し、警察官のみならず自衛官、警備員等においても女性の配置を図り、
女性・子ども等に対する全体的な支援体制を現状に適した形で強化すること。

5.ジェンダーに敏感な視点による当事者参加型などの実態調査をはじめ、
復興過程における男女共同参画の実現に資する調査研究を振興すること。

………

日本学術会議第六次緊急提言「救済・支援・復興に男女委共同参画 の視点を」
 (平成23年4月15日)
http://www.scj.go.jp/ja/info/jishin/pdf/t-110415.pdf

カテゴリー:震災 / 男女共同参画

タグ:東日本大震災 / 日本学術会議