エッセイ

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もぐもぐ カミカミ ぱくぱく 離乳食   やぎ みね

2011.06.20 Mon

孫の佑衣(ゆい)が10カ月になった。すくすく育って、日々、成長していく。誰も教えないのに、ひとりでにいろんなことができるようになるのは、ほんとに不思議だ。

はいはいで動き回って目が離せない。お掃除ロボット「ルンバ」ゆい号が、今日もゆく。

6カ月から始めた離乳食も朝、昼、晩と3食になった。ゴックン、もぐもぐ、カミカミ、ぱくぱく期と成長にあわせてメニューも違う。「鮭入りマカロニグラタン」「パンプキンリゾット」「そうめんチャンプルー」「ワカメとシラスのさっと煮」「小松菜とカブのさっと和え」などなど、果物のデザートはじっくり味わって楽しむ。

粗食で、素材の味を覚えてほしいと、娘は本を片手に慣れない離乳食づくりに励む。たまに外出先でレトルトにすると、なぜか、ぐずって食べてくれない。

「中国語でうたおう」をバックミュージックに、「いただきまーす」。山崎こずえ主宰Juelinsの創作CDは、よくできている。マザーグースのメロディ「メリーさんの羊」「きらきら星」「十人のお友だち」など全20曲。中国語の歌と、ロック、ヒップホップ、レゲエ、ボサノヴァ、クラシックにアレンジされた曲が次々と流れる。「再見」で、おしまい。音感と、リズム感が、よく溶け合って、何度聞いても全然、飽きない。

とにかく、よく食べる。「お皿がピッカピカ。完食!」というと、満足そうにガッツポーズをとる。乳歯も7本生えてきた。快食・快便。ワカメ、ヒジキ、ノリなど海草類を食べると、もっさりしたウンチが1日2回。毎日、食べて排泄するのが、彼女の仕事だ。

お台所も興味があるらしい。3歳からお玉を握りしめていたという、料理好きのパパに似たのか、テレビの子ども向け料理番組を食い入るように見ている。

先日、ホームセンターに買い物に行ったら、だっこ紐越しに、陳列棚から何やらもぎとったらしい。お客さんが、クスクス笑う。振り向くと、「お酒」と書いたステッカーをギュッと握りしめていた。大きくなったら、きっと酒飲みになるな。

育児には休みがない。ママが疲れて、ちょっと体調を崩した時、しばらく母乳を飲まなくなった。「卒乳」か、と思ったが、どうやらママのことを気遣い、遠慮していたらしい。このまま卒乳は、ちょっとせつない。「ごめんね。飲んでいいよ」と語りかけると、そろそろと、また飲み始めた。子どもって、親の気持ちを、ちゃんとくみとっているんだ。すごいなと思う。

東京での外資系コンサル会社を辞めて、鍼灸師として京都で暮らすことを選択したパパ。娘と孫は、一足先にお正月から京都に里帰りしていた。偶然にも3月11日の東日本大震災に遭わなかったのは、小さい子にとっては幸いだった。

そして6月、彼と彼女らは京都の我が家へ引っ越していった。待ったなしの育児。助っ人を頼まれ、しょっちゅう仕事を邪魔されていた私も、ようやく解放される。でも、お邪魔むしは、またちょくちょくやってくる。それもまた、しんどくもあり、うれしくもあり、という感じかな。

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カテゴリー:旅は道草

タグ:子育て・教育 / / やぎみね