2011.09.03 Sat
「歴史的な政権交代」が行われてから、早くも3人目の総理大臣が誕生しました。しかし女性閣僚、ハトヤマ内閣では二人(千葉景子法務大臣、福島瑞穂内閣府特命担当大臣(男女共同参画、少子化、消費者及び食品安全)いたものが、カン内閣では最初二人(千葉大臣、蓮舫内閣府特命担当大臣(行政刷新))。ところが数次の改造を経てゼロになってしまうという状態であったところ(その時の担当大臣は、定例記者会見で「惜しまれることは、私の隣に座っていた、極めて能力のある活発な優秀な蓮舫大臣が退任されたということで、男女共同参画担当の閣僚としては、女性閣僚がいなくなったというのは、多分、私が関係者から叱られるのではないかなと思っております」と述べていました)、新内閣では復活して2人になりました。一人は小宮山洋子衆議院議員の厚生労働大臣。副大臣からの昇格です。重要ポストなので(税と社会保障一体改革)、たいへん喜ばしい。
「ということは、男女共同参画担当は誰?」と思ったけれども、報道(インターネット)では名前が上がってこない。午前中に「閣僚名簿発表」とされているのに(この点後述)。もしかして小宮山さんが兼務するのかしら、とさえ思ったことでしたがさすがにそれはなく、蓮舫さんが行政刷新(内閣府特命担当大臣)に返り咲き、男女共同参画と少子化を担当することになっていました(驚)。
次は就任記者会見だよと思っていましたら、今回はNHKでの放送が組まれず、困ったと思っていたところ、官邸ウェブサイトに置かれている「政府インターネットテレビ」が、素早く動画をアップしていて、視聴することができました。
小宮山厚生労働大臣
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5239.html?c=12&a=1
小宮山大臣会見要旨@時事通信
「被災者支援、一体改革に全力=小宮山厚労相・閣僚会見」
蓮舫内閣府特命担当大臣(行政刷新、「新しい公共」、少子化対策、男女共同参画)、公務員制度改革担当
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5248.html?c=12&a=1
小宮山さんは、「男女共同参画」という言葉こそ使いませんでしたが(タテ割りの日本国官僚制においては、そんなことはできませぬ)、税と社会保障一体改革の要の役所として、「成案」において何がテーマになっているかは十二分に理解しているでしょう。その点に不安はありません。それに対して蓮舫大臣は、男女共同参画担当であるにもかかわらず、課題としてワークライフバランスを挙げただけで、策定されたばかりの第三次基本計画への言及さえありませんでした。これからでもいいですから、素直に勉強していただきたいと思います。
そして、男女共同参画に関する記者からの質問はありませんでした(最近は、「期待するだけムダ」と思うことができるようになった。しかし、何とかしなくてはいけない)。
また、ネット記事での蓮舫大臣の職掌は「行政刷新」「公務員制度改革」に代表され、報道の中で「男女共同参画」への言及は皆無といった状況です(紙版のように「面積」の拘束を受けないインターネットでも、すべてを掲載したのは「ブルームバーグ」のみでした)。「男女共同参画」より先に「少子化対策」が来るようになってしまい、怒っていたところ、今回はそのいずれも入らなくなってしまって、たいへん不自由でした。翌日の朝日新聞朝刊では、名簿表の脇で注記される対象に。ひどいものです。関係者は、もっと怒らなくてはなりません。
上でも書きましたが、厚生労働省の課題は雇用、社会保障、税、いずれもジェンダーの視点なしには改革は不可能な領域です。「メインストリーミング」と言われてから何年たっているでしょうか。「かけ声だけ」に終わっているこの状況に、変革をもたらしてほしいと強く思っています。
関連@WAN;
「この沈黙はなんなのか~閣僚就任会見・断想 阿部浩己」(2009年09月19日)
「新政権、これでは男政権と呼ばれちゃう 紅いハイヒール」(2009年10月24日)
タグ:民主党