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旧ソ連映画特集(9月17日~23日)ピックアップ③ 「モスクワは涙を信じない」

2011.09.10 Sat

旧ソ連版 アラフォー女性のサクセス・ストーリーに元気が出る!   

「モスクワは涙を信じない」 

(ウラジーミル・メニシェフ監督/ソ連/1979年)

1981年アカデミー賞最優秀外国語映画賞/文化庁芸術祭優秀賞

1958年モスクワ、労働者寮に住む三人の若い女性たちは、それぞれに明日を夢見ていた

工場で働く努力家カーチャ、玉の輿を夢見るリューダ、良妻賢母型のトーシャ

どうなる彼女たちの20年後?

どうなるモスクワ?

モスクワに暮らす3人の若い女性の1950年代末から20年を描くコメディ

中でも、工場で働きながらシングル・マザーとして生きるカーチャに物語の焦点はあてられている

修理工から工場長にのぼりつめるという展開が、共産圏ならでは。

公開されたのは、アフガンにソ連が侵攻した1979年 多くの国民は困窮にあえいでいた

それでも、この映画の前売り券を求めて人々は列をなし、モスクワ広場はいっぱいになったという

彼らは、この映画に、どんな明日を、見出したのだろうか

ソ連邦解体後、すでに20年を経た今、当時、ソビエト映画ベストワンに輝いたこの大衆映画に、わたしたちは、何を見出すべきだろうか

≪みどころ・ききどころ≫

あの時、痛い目に遭っていなかったら、今の私はなかったと思う

カーチャ

20年前に身重の自分を捨てた無責任男に、同じ場所(ゴーゴリ並木道)、同じベンチで、痛烈なしっぺ返しをするカーチャに喝采!

参考文献 佐藤千登勢 「映画に学ぶロシア語――セリフのある風景」(東洋書店、2008年) アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

上の台詞もこの本から引用させていただきました

旧ソ連映画特集

9月17日(土)~9月23日(金・祝)

アップリンク・ファクトリー 詳細はこちら

東京都渋谷区宇田川町37-18トツネビル1F

JR渋谷駅ハチ公口から北西へ徒歩10分

TEL.03-6825-5502

協力:ロシア文化フェスティバル/ロシア映画社

企画/パンドラ 詳細はこちら 

以下、パンドラ代表中野理恵さんよりメッセージ

17日(土)の初日の12:30から、野上照代さんのトークを予定しております。野上さんは黒澤明監督の『羅生門』(1950年)にスクリプターとして初めて参加したことを契機に、『生きる』(1951年)以後の黒澤19作品にスクリプターとして参加しています。黒澤監督が『トラ・トラ・トラ』(1968年/20世紀FOX)の監督降板や自殺未遂事件(1971年)の後に、ソ連から招かれて『デルス・ウザーラ』(1975年)撮影のためにシベリアに行く際に、僅か5名の日本人スタッフの一人として参加。社会習慣の違いなどもあり、難航したと言われている『デルス・ウザーラ』撮影秘話を中心に17日はお話しいただきます。今年で84歳になる野上さんは、日本映画界の重鎮として文化庁映画賞映画功労賞(2005年)、日本アカデミー賞協会特別賞(2011年)などを授与されています。また、早逝したドイツ文学者の実父について綴った「父へのレクイエム」(1984年・読売ヒューマンドキュメンタリー賞優秀賞)を原作に後年つくられた映画が、『母べえ』(2008年/山田洋次監督)です。なお、あいち国際女性映画祭には当初(1996年)よりずっと運営委員として関わっています。

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(keiko kawaguchi @cinema-wan)








カテゴリー:新作映画評・エッセイ

タグ:シングルマザー / 仕事 雇用 / 旧ソ連映画 / アカデミー賞

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