エッセイ

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言わなければわからない asukaの育児休業日記・6

2011.09.10 Sat

 空気を読む能力が重視されている。でもそれって本当にどんな時でも正しいこと?

相手の気持ち

 とあるビジネスセミナーでグループワークに参加しました。自分の店の店員がお客さんのパソコンを壊してしまったときにどう対応するか、という設定。

 休日を潰してセミナーに出てくるような人達ですから、積極的に意見が出てきます。

 「まずはパソコン修理だな、メーカーにあたるか」「ハードよりデータの復旧が優先よね」「お店のクーポンなんてどう?」「お客さんの会社にまず謝りに行こう」・・・

 私達のグループは補償内容について喧々諤々議論し、発表では「あんなことやこんなことだってします!」と意気揚々と様々な補償手段を提示してみせました。

 ところが、次のグループの物腰の柔らかな40代前半と思しき男性はまずこう言ったのです。「最初にお客様のご要望を伺います」と。

 「相手が何を求めているかわかりません。最新の機械が欲しいかもしれないし、同じ機種がいいかも知れない。データが明日までに必須かもしれないし、直前にバックアップしてあるかもしれない。こちらが考えるベストと相手にとってのベストは違うかもしれませんから」。

 後から聞くと、彼は支店長を務めており実際の苦情対応も多いとのことでした。

聞かなければわからない

 こんなこともありました。同じマンションから引越して復職をしたKさんという友人がいます。今も同じマンションに住む共通の友達Sさんと話していた時、彼女が一言。「夏休みにKさんと一緒に遊べたら楽しいよね!」。

 Kさんの引越し先は新幹線を使って三時間以上かかる場所。仕事復帰の大変さに加え、Kさんの夏休みが翌週だと知っていた私は(誘うのは迷惑じゃないか?)と一瞬思ったものの、言い出すタイミングがないまま話題は移っていました。

 次の日、Sさんから連絡がありました。「Kさん、ぜひ来たいって!」。えーーー!?そうなんだ!

 「それはすごくうれしい。私はごちゃごちゃ考えてきっと誘えなかったと思う。アクティブさがうらやましい!」。そんな気持ちをSさんに包み隠さずぶつけると、Sさんはあっけからんと答えました。「とにかく誘って、来れないなら来れないでいいじゃない。聞かないとわかんないよ」。

  そう。人がどう考えるか、どう思うか、何を求めているかなんて聞いてみなければわからないのだ。

言わなければわからない

 逆もまた然り。
 自分が思っていることだって、伝えなければ相手にはわからない。子どもや立場が違う人が相手なら、特に。

 うちの娘たちは、いつでもどこでも音楽が流れ出すと踊りだします。これが不思議と動きが音楽に合っている。ムーディーな曲が流れると二人してクネクネと腰をふっています。

 だからロックが流れてこようものなら、夜だろうと激しく飛び跳ね走り回る。「やめなさい」で一旦は止めても、また音楽が流れればお祭り騒ぎが始まる。焦りながら「やーめーなーさーい!」と怒鳴ると、長女に聞かれた。「どうして?」。

 子どもたちは「夜は飛んだり跳ねたりしてはいけない」なんてことはさっぱり理解しておらず、止めろといわれたから止めただけ。下に住んでいる人に迷惑だという認識はありません。経験も知識もないのですから。

 子育てでは「こんなこと言わなくたってわかるでしょ」は通用しません。「私はこういう理由でこうしてほしい」と明確に簡潔に具体的に伝える必要があるのです。

 いくら説明しても、ノリのいい曲なら飛び跳ねちゃいますけどね。

きちんと伝える

 長女の育休からの復帰後、私は空気を読んでいた、否、読んでいると思っていました。

 部署の人たちはすごく優しかった。「後はやっておくから」と仕事を残しての定時退社をさせてくれたり、私が担当の仕事なのに長距離出張は他の方が代替してくれたり。でも、実は感謝とともに「もっときちんと仕事をやり遂げたい」という気持ちも私の中に燻っていました。

 それでも「配慮してくれているのだからわがままを言ってはいけない。育児に時間を取られる以上、逆に迷惑という判断かもしれない」と自己完結して何も言いませんでした。私がそんなヘンテコに屈折した気持ちを抱えていたなどとは上司の男性には想像もつかなかったでしょう。出産経験もないのですから!

 「気持ちを伝えたら要望が通っていた」とは必ずしも思いません。でも少なくとも「言わない」よりは選択肢が増えていたはず。

 「言わなくても伝わる」なんて、相手が家族だったとしても期待しすぎですよね。うじうじと相手の気持ちを勘繰ったり、言いたいことを溜め込んで悔いが残るくらいなら、きちんと伝えてきちんと聞く努力をした方がいい。それこそが、本当に自分も相手も大切にすることではないか、と今では思っています。

宇宙マメ知識

 食欲の秋!ですね。

 秋って美味しいものだらけ。さんま、栗、りんご・・・実はこれら全て、宇宙で食べられます。

宙飛ぶ さばの味噌煮 (C:JAXA/NASA)

  宇宙飛行士にとって、食事は健康だけでなく精神的にも重要。同じ顔ぶれで忙しく過ぎていく毎日の中、色々な味を楽しめる宇宙食はリフレッシュ&リラックスのために大切な役割を果たしているのです。

 「色々な味」の中には日本食も含まれています。さんまの蒲焼や栗羊羹、野口宇宙飛行士が宇宙でラーメンを食べる姿をご覧になった方もいるのでは?現在29品目が宇宙日本食として認証されています。

 ほとんどの宇宙食は長期保存できるようフリーズドライなどで加工されていますが、新鮮な果物(りんご等)が運ばれることもあるんです。

  地上にいる私達にとっても食事は気分転換になりますよね・・・食べ過ぎないよう気をつけなくっちゃ!

カテゴリー:asukaの育児休業日記

タグ:子育て・教育 / 育児休業