エッセイ

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やる気のメカニズム asukaの育児休業日記 7

2011.10.10 Mon

 ん~。なんだか今月は何かとやる気がでない。そこで「やる気」のメカニズムについて考えてみました。

やる気のスパイラル

 最近やる気をもって取り組んでいるもの、それはボランティア活動。といっても、「人を助けたい!」と崇高なボランティア精神とやる気に満ちあふれて始めた・・・わけではなく。きっかけは「友達に頼まれたから」。思い切り流されてのスタートでした。

 ところが、これが思いのほか楽しくて熱心に活動しています。サポートした相手が喜んでくれる嬉しさはもちろん、想定外だったのは仲間のやる気がいかに影響するかということ。

 ボランティアのスタッフは小さな子どもを持つママばかり。毎日子どもに振り回されて自分の時間はほとんどありません。それなのに、面倒で時間がとられる作業でも全員が積極的に「やります!」と手を挙げる。そのエネルギッシュで真摯な態度にひっぱられ、ついつい「私も!」と手を挙げてしまいます。

 みんなやる気だわぁ・・・と微笑ましく思っていたら、スタッフの一人がぽつりとつぶやきました。「asukaさんもみんなもすごいよね。みんなのやる気がすごいから、私もやらなければって気分になるよ」

 あれ?それって私のセリフなんですけど。

 仲間のやる気を見て自分もやる気になる。それを見てまた仲間がやる気になる。そんな良いスパイラルができているようでした。

冷める瞬間

 ところがある日、活動歴の長いママさんが心配そうに言いました。「無理しないでね。頑張りすぎると小さな不満がたまっていくの。それで突然活動を止める人がこれまでに何人もいたから」

 確かに、ものすごく頑張って取り組んでいたことに対してやる気が一気に冷めてしまうことがある。

 英語スピーチクラブでやる気がぽきりと折れた瞬間がありました。しっかりと準備し、練習を重ね、自分では良い出来だと感じたスピーチが評価されなかったとき。ぽきり。しばらくはやさぐれてしまい、全くやる気がでませんでした。

 人は「認められたいもの」。だから頑張ってほめられると嬉しい。でも段々とその「頑張った状態」が普通になる。すると更に頑張らなければならない。その頑張りは成長につながる。

 でも「こんなに頑張っているのに認めてもらえない」と思った瞬間、急にそのやる気が消え失せてしまいます。

 後日、そのスピーチに対し「どこが悪かったか、どうすればもっとよくなるか」という意見をくれた人達がいました。するとやる気の無さが一転、悔しさというバネに変わり再びやる気がむくむくとわいてきました。

 賞賛が得られなくても、きちんと見てくれている人さえいれば、次のやる気につながるのです。

しっかりと「見る」

 子育てだって同じ。

 子どもはほめるとやる気になってくれます。

 去年一年間ほとんどピアノの練習をしなかった長女が、毎日練習をするようになりました。理由はいくつかあるけれど、発表会で練習の成果を披露し、みんなから「すごいね、頑張ったね」と認めてもらえたことが大きいと思います。だから私も日々ほめています。

 ところが。とりあえずほめておけばいいだろうと「わぁ、上手上手~」なんて適当にほめると容赦ない突っ込みが飛んでくる。「まだ片手しか弾いてないんですけど。ちゃんと聴いてた?」

 頑張ったところは自分が一番よくわかっている。だからズレたところをほめられてもハテナ?となるだけでやる気にはつながらないようです。

 努力している部分をきちんと見付け、認める。子どもをやる気にさせるためにも、しっかりと見て、それからほめることが必要です。

やる気を維持するために

 では自分のやる気を維持するにはどうすればよいのでしょうか。

 一つは、きちんと認め合える関係を培うこと。一方的に「認めてもらう」ことだけを求めれば相手に不満がたまってしまうので、まず相手をしっかりと見て認めてそれを口に出してみる。すると相手も自分のことをしっかりと見てくれます。

 そして、無理をしないこと。頑張るのもいいけれど、疲れを感じたら「ちょっと無理してるかも」と素直に認めて、少しお休みしてみる。「認めてもらえない」という不満が爆発して、やる気が一気に冷めたり、やさぐれたりして、せっかく積み上げてきたものをぶち壊してしまうよりはお休みした方が断然ましですよね。

 うんうん、やる気がでないのに無理しちゃいけない。ちょっと一休み・・・言い訳ですって?ばれたか。

宇宙マメ知識

 運動、食欲、と取り上げてきましたが、秋といえば他にも。そう、「文化」の秋です。

 日本人宇宙飛行士はみんな理系だし、宇宙ステーションでは小難しい実験ばかり・・・と思われるかもしれませんが、文化的な試みも行われています。

書道をする若田宇宙飛行士 (C:JAXA/NASA) 

 若田飛行士は、書道を。宇宙では、筆にたっぷりと墨を含ませても墨が筆から落ちないそうです。ぽとりと墨が垂れてしまって書き直し、なんてこともないんですね。

宇宙で詠んだ詩 (C:JAXA/NASA)

 宇宙をテーマに詩を詠み連ねていく、「宇宙連詩」というプロジェクトも。宇宙飛行士達も寄稿しています。詳しくはこちらのHPをご覧ください。

 宇宙芸術にも挑戦しています。宇宙・微小重力といった環境を利用して、「宇宙」をガラスボトルに詰め込んで地上に持ち帰ったり、宙に浮く水球の表面にインクを流して模様をつくったり、小さな庭を育てたり、壁画に残された舞踊を再現したり・・・

 ご興味があればこちらのHPをご覧くださいね。

”宇宙”を詰め込んだボトル (C:JAXA/NASA)

 秋の夜長に、「宇宙×文化」の不思議な世界に浸ってみる。そんなのもいいかも。

カテゴリー:asukaの育児休業日記

タグ:子育て・教育 / 育児休業