エッセイ

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「慰安婦」問題 その⑥ グローバルな連帯を考える 岡野八代

2012.10.02 Tue

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.「女性・戦争・人権」学会では、1997年の発会当初より、市民の方といっしょに、日本軍「慰安婦」問題をどのように解決すべきかを考えてきました。学会誌創刊号に収められた、第一回シンポジウムで松井やよりさんは、「現在の日本はひどい状況になっていることに危機感をもっている」と発言されています。

松井さんは、1991年に金学順(キム・ハクスン)さんが「慰安婦」とされていたことを告発する前から、日本軍「慰安婦」問題に関わってこられた方です。

松井さんの発言から15年を経て、今年は世界的な政治状況のなかで、「慰安婦」問題はより大きく焦点化され、日本では、これまでの研究蓄積を蔑ろにするような発言を臆面もなくする政治家がいまなお、後を絶ちません。

「女性・戦争・人権」学会の本年度の大会は、 「フェミニズム・正義・グローバルな連帯――松井やよりの仕事を振り返る」をテーマに、来る10月28日(日曜)、立命館大学朱雀キャンパスにて開催されます。

以下が、スケデュール及び、シンポジウムの趣旨です。

多くの方に、問題を共有していただき、松井さんが追究されてきたグローバルな連帯を感じ、少しでも現状を改善するための力を育めるようなシンポジウムとなることを願っています。

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シンポジウム趣旨

2012年は松井やよりさん没後10年になります。本学会発足の1997年に開催されたシンポジウム「女性・戦争・人権をめぐって」に松井さんはパネリストの一人として参加され、本学会の重要性や研究者へ激励と期待についてお話されました。本学会の意義の一つとして、松井さんの一方ならぬ尽力によって実現した「日本軍性奴隷制度を裁く 女性国際戦犯法廷」(2000年)を理論や思想の面から支えていくというものがあり、会員は様々な場所でそれを実践してきました。
松井さんは日本軍性奴隷制度の被害者・サバイバーの方たちが求めた正義の確立に向けて多くの力を傾けただけでなく、沖縄やその他の地域における現代の軍隊と性暴力の問題や、アジアの平和運動家との連帯、フェミニストのグローバルな連帯などの面でも大きな貢献をされました。今年度の大会では、松井やよりさんの活動と思想について振り返り、まだ研究が進んでいない松井やよりさんの仕事について議論したいと思います。

シンポジスト

・武藤一羊(ピープルズ・プラン研究所)
・高里鈴代(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会)
・水溜真由美(北海道大学)

コメント:秋林こずえ(立命館大学)

司会:岡野八代(同志社大学大学院)

全体スケジュール

10:00~11:00 総会

11:00~12:30 自由論題発表

13:30~17:30 シンポジウム「フェミニズム・正義・グローバルな連帯」

18:00~20:00 懇親会

(立命館大学朱雀キャンハ゜ス7階 TAWAWA、会費\4,000-、学生\2,000-)

自由論題

報告タイトル:外国人女性に対するドメスティック・バイオレンス――被害者の法的保護と支援体制の拡充に向けて

発表者 :福嶋由里子(世界人権問題研究センター)

コメント:後藤安子(関西大学)








カテゴリー:団体特集 / 慰安婦問題 / シリーズ

タグ:慰安婦 / 岡野八代 / 戦時性暴力 / 軍隊性奴隷制 / 松井やより