エッセイ

views

1639

調停で協議離婚ができる?【打越さく良の離婚ガイド】NO.2-9(18)

2013.02.18 Mon

【打越さく良の離婚ガイド】NO.2-9(18)    調停で協議離婚ができる?

 
18 調停で協議離婚ができますか。

◎方法はあるが確実なほうがいい

夫と妻双方が調停で離婚に合意しているけれども,2人とも,あるいはどちらか1人がどうしても「調停離婚」と届出するのは抵抗感があるなどとして,協議離婚を望む場合があります。夫・妻の戸籍それぞれに,協議離婚の場合「○年○月○日~~と協議離婚届出」,調停離婚の場合には,「○年○月○日~~と調停離婚成立」と記載されますが,後者の場合,協議で済まなかった,激しく紛争したのでは,といった印象を与えないかと臆してしまうのでしょうか。

その場合,両者が協議離婚届に署名押印等をして,提出することはもちろんできます。その方法をとる場合でも,養育費,財産分与,慰謝料,年金分割については,調停調書に合意を明確にしておきましょう。調停調書に,協議離婚する旨の合意も記載しますが,しかし,その合意を書いておいても,それだけでは協議離婚は成立しません。どちらが提出するのか(便宜上,戸籍から離れるほうが届出するほうが一般的です)明記した上,調停の場で提出する側に他方が所定の欄に署名押印を済ませた離婚届出用紙を託します。しかし,提出する側でない方が実は不受理届(離婚届を受理しない旨の届け出)を出していたりすると,厄介です。不受理届を出していたことを忘れていた,ということなら,頼めばすぐに取下げてくれるでしょうが,なかなか取下げてくれないでトラブルになることもなくはありません。その場合もう一度調停申立てなど手続を再開する必要があります。

そのようなトラブルの可能性も考えると,離婚もあわせて調停離婚で実現してはいかがでしょうか。離婚は離婚,調停で解決したのも協議で解決したのと同様,新たなスタートに向けて苦労して辿りついたことに間違いないのです(訴訟でも同様に,頑張って解決したことに変わりありません)。気にすることはありません。リスクを取るより,確実な方法をとることをお勧めします。

◎有用な場合も

調停離婚より協議離婚がいい,ということではなくて,調停の成立の日に夫か妻が外国にいるなどの場合には,離婚を協議離婚として,他は代理人出席のもと調停で成立させる方法もいいでしょう。外国にいる夫か妻が署名押印を済ませた離婚届をその場で他方に渡せるよう,代理人に事前に渡しておきましょう。
ただ,短期間の出張などであれば,期日を変更してもらう,あるいはさらに期日を指定してもらうなどして,ご本人も出席できるときに離婚も含めて調停を成立させるほうが,やはり確実でしょう。

あるいは,家庭裁判所に調停に代わる審判(家事事件手続法284条1項)を出していただくということも考えられます。これは,家庭裁判所が相当と認めるときに一切の事情を考慮して職権で行う審判で,2週間以内に当事者から異議がなければ確定し,確定判決と同じ効力を持ちます。

カテゴリー:打越さく良の離婚ガイド

タグ:非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / 弁護士 / フェミニズム,家族,離婚, 打越さく良,エッセイ,離婚ガイド,親権