エッセイ アクション

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さまよえる汚染物質 桜川ちはや

2013.07.04 Thu

               脱原発 岩手から発信せよNO.8

peretto岩手県金ヶ崎町には、放射線物質に汚染され町内に集中保管している2011年産牧草を固形に加工する「ペレット化」に県内で初めて本格実施に取り組み始めました。

焼却期間が見通せないために保管の長期化が懸念される中、作業を開始し、腐敗を抑制していくためです。この作業に岩手県の補助金1億8830万円を活用します。

被ばく平均値は、1キロ当たり180ベクレル(国の基準値は100ベクレル)。金ヶ崎町と、奥州市の汚染牧草計約3200トン。いずれ全部を焼却処分される予定ですが、農家が個別、共同保管している牧草を裁断するための前処理施設の設置時期が不透明なことから、現時点では焼却開始が見通せずにいます。全量の焼却期間も3から5年かかってしまうため、そこで、被爆牧草のペレット化(乾燥させてキャットフードみたいにする)をして、牧草の腐敗を抑え、中長期的な保管体制を整えるということです。まずは、金ヶ崎町内にある約1300トンの保管牧草の体積を減らし、焼却時の運搬搬出の効率化や、安全な長期保管対策にもつなげていく方針で、住民には、作業の進行状況を説明しながら、慎重に取り組みたいと県畜産課の担当はいっています。(岩手日報新聞2013年6月20日記事参考)

金ヶ崎町と奥州市の2013年6月16日現在の放射線量は、0.078μ㏜。盛岡市が0.021μ㏜なので、約3倍。(国の除染基準が0.23μ㏜。)被ばく汚染牧草だけで3200トン。これをそのまま放置しておけないので、まずは、乾燥させ、軽量化、少量化していくということ。しかし、焼却時に、放射線物質は、煙と共に大気中にばらまかれる。だからといって、そのまま放置しておけば、腐敗が進み、悪臭を放ち、虫が湧き、地中にしみ込んで拡散する。それよりは、まだ、「安全」というのでしょう。

さて、汚染されたシイタケ栽培のホダ木や、出荷停止のシイタケはどうなっているのでしょう。

「汚染された宮古市、山田、岩泉町の牧草などを焼却処分するための試験焼却が5日、宮古市小山田の一般廃棄物焼却施設『宮古清掃センター』で始まった。問題がないと判断されれば住民の理解を得たうえで7月から本格処理する。

 本格処理を予定しているのは牧草をはじめ汚染されたシイタケ栽培のホダ木、シイタケの計2617トン。うち試験焼却するのは牧草9トンで、8日までの4日間に、家庭ごみとどの割合で混ぜて焼却すれば放射能の数値が低くなるか調べる。初日は川井地区の保管場所から運ばれた牧草2トンが炉に投入され、焼却された。炉内や施設周辺などの空間線量に異常はなかったという。
 同センターを運営する宮古地区広域行政組合事務局によると、国の基準では焼却灰のセシウム濃度が8000ベクレル以下であれば埋め立て処分ができることになっている。しかし、同組合は1000ベクレル以下でなければ受け入れないことにしている。1000ベクレル以下の焼却灰を同組合運営の最終処分場(同市千徳)に埋め立てる。
 焼却を巡っては健康被害を心配する「汚染牧草焼却を考える宮古の会」(古舘和子代表)から581人の署名を添えた反対の要望書が市に提出されている。この日は市民7人が試験焼却を見学した。」(毎日新聞2013年2月6日付記事より)

 宮古市の千徳というところは、周りに、小中学校、保育園幼稚園のあるところ。わたしも震災後に訪れたことがあります。三陸海岸からは離れていて、震災当時は、自衛隊のヘリが離陸し、駐屯地でした。

そこで、被爆木材や瓦礫が燃やされるとなるとかなり心配です。

 
瓦礫分別場さて、岩手県釜石市の瓦礫処理場では、震災瓦礫を分別して、粉砕し焼却処分を行っています。残灰土を首都圏の埋め立て地用に運ぶそうです。

残土を積んだトラックが、「空間線量測定ゲート」を通過してきます。

そこで、基準値を超えてしまったらどうなるか。またしばらくは、岩手県内に待機と言うことになるのか。今のところは、まだそういうことはないそうですが。

 

gareki1「ねえ、内部被ばくした人のおしっこやうんちには、放射能がいっぱい入っているんだよね。じゃあ、それが下水管を通って行く間に放出されているわけだよね。し尿処理施設が、コンクリートや鉄板で頑丈に遮断さているわけじゃないのだから、処理されて、川や海に流されいくのって、結局は、放射能がぐるぐる地球上を廻っているってことなんじゃないの?」

我が子にそう言われて、答えに詰まってしまいました。

目の前になければ、それで解決したっていうの? 終息宣言なの?

 釜石瓦礫運搬検査2013年6月4高濃度の汚染水が福島第一原発観測用の井戸から検出されました。近くの湾内で6月24日に採集された海水からは、1リットル当たり、1500ベクレルのストロンチウムが検出されました。(ストロンチウム90の半減期は実行18.3年)

 事故にあわなくても、原子力発電は、毎日大量の核のゴミを排出します。その処理が曖昧なまま、増設され、また再稼働。3.11の原発事故の処理も安心できる状態にないまま、はてしなく続く厄介な核のゴミたち。まだまださまよえる放射能たち。

(2013年6月30日記)

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シリーズ「脱原発 岩手から発信せよ」は、毎月月初めにアップ予定です。 シリーズをまとめて読まれる方はこちらからどうぞ。

カテゴリー:岩手から発信せよ / 特派員 / 連続エッセイ

タグ:脱原発 / 原発 / 放射能汚染 / 桜川ちはや / 岩手県

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