エッセイ

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8月は、日本軍「慰安婦」問題=軍事性奴隷制度を考える月に ⑨

2013.08.22 Thu

 「慰安婦」について橋下大阪市長に公開質問状を出しました。 – 日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

8/21、橋下大阪市長は記者会見で、竹島問題に関連して「慰安婦」問題について、

「強制連行はなかった」、「証拠があれば、韓国は示して」、「河野談話を踏襲するのか」、「『慰安婦』制度は、今は非常に倫理的に問題がある制度かもしれないが、当時の時代背景でどうだったかをはっきりすべき」、「近現代史教育の充実を」などと発言しました。

 この発言について、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークから橋下市長宛に、8/24 11時、「公開質問状」(この下に全文掲載)を渡しました(秘書課が代理受理)。

その時明らかになったことは、大阪市のボードの前での会見にも関わらず、橋下市長は、市長として、あるいは大阪維新の会代表として、混同して発言している、という事実でした。

従って、8/21の発言も、どっちの立場でのものか、市としてまだ確認をしていないということでした。

この問題についての各紙の報道は以下をご参照ください。

朝日新聞 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201208240051.html

 産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120824/plc12082414300020-n1.htm

 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/news/20120824k0000e040210000c.html

 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120824-OYT1T00565.htm

共同通信 http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082401001614.html

 東京都の石原慎太郎知事も24日の記者会見で「慰安婦』問題に言及し、「慰安婦」問題について謝罪した1993年の河野洋平官房長官談話を批判しています。

石原東京都知事の発言については以下をご参照ください。

 読売新聞 http://news.livedoor.com/article/detail/6886948/

 時事通信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120824-00000113-jij-pol

日経新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXNASF2402A_U2A820C1000000/

 日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークでは、引き続き、全国の仲間たちと力を合わせて、抗議活動を続けます。

個人ですぐできる行動として、大阪市のHPから、だれでも、橋下市長宛の意見を送ることができます。

https://sc.city.osaka.lg.jp/mail/opinion.cgi

 こちらも、どうぞよろしくお願いいたします。

公開質問状は以下のとおりです。

日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

***************************

                                                               2012年8月24 日

 大阪市長 橋下徹 様

                     日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

                    共同代表 西村寿美子 奥田和浩 方清子

                    連絡先:TEL080-6185-9995 FAX06-6741-6032

日本軍「慰安婦」問題についての見解に関する公開質問状

私たちは日本軍「慰安婦」問題の解決を求めて、全国の仲間とともに活動を進めている市民団体です。

橋下徹大阪市長は、8月21日の記者会見で「竹島」問題に関する見解を問われ、関連して「慰安婦」問題に言及しています。それに関して、事実に反するばかりか、女性の人権をないがしろにする看過できない重大な問題を含んでいると私たちは考え、以下質問するとともに、早急な謝罪と発言の撤回を求めるものです。回答は、一週間以内に文書にてお願いいたします。

(質問1) 日本軍「慰安婦」問題についての日本政府の公式立場は、1993年の「河野談話」にもとづく「軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに荷担していたこともあった」さらに「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」というものです。市長は「軍に暴行脅迫を受けて連れてこられたというその証拠がない」と発言されていますが、「河野談話」およびその根拠となった調査結果に異議を申し立てているということでいいのでしょうか。その場合、国の公式立場に異議を申し立てるに至った根拠を、説明してください。

(質問2) 大阪市は2010年10月に、日本軍「慰安婦」問題の早期解決に関する意見書を採択し、「河野談話に矛盾しないよう、慰安婦問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復とともに、今なお存在する女性への暴力・人権侵害の解決に向け、誠実に対応されるよう強く要望する」と、市議会の意見として政府に伝えたところです。このたびの発言は大阪市長として矛盾した内容ですが、その点についてどのように考えていますか。市議会へは、どのように説明されますか。

(質問3) 今回、市長は「慰安婦」制度について、「今から考えると非常に倫理的に問題な制度かもわからないけど、当時の時代背景において、どうだったのか」と語られています。「慰安婦」制度は当時においても国際法に違反しており、日本の刑法にも違反する犯罪行為でした。現在、国際社会からも「慰安婦」制度は女性に対する最大の人権侵害であるとして、日本政府に早期解決が求められています。日本を含むアジア各国の多数の被害女性たちが過酷な状況下で日本軍兵士の性のはけ口とされたことを、「戦時下だったから、倫理的に問題がない」と言っておられるのでしょうか。改めて、意見をお聞かせください。

(質問4) 市長は歴史教育の必要性を以前から強く主張されています。このたび、「自国にとって都合の悪いことを教えないという教育では、各国との論争もできない」とも言われています。しかし、「慰安婦」問題については、中学校の歴史教科書で年々記述が縮小され、昨年の検定によりあらゆる教科書から消されてしまったということを、ご存知でしょうか。これについて、見解をお聞かせください。 以上

なお、この記事は2012年8月26日に掲載れた記事の再掲です。

カテゴリー:団体特集 / 慰安婦問題 / シリーズ

タグ:慰安婦 / 戦時性暴力 / 軍隊性奴隷制

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