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審判とは_【打越さく良の離婚ガイド】NO.3-2(27) 27

2013.11.18 Mon

【打越さく良の離婚ガイド】NO.3-2(27) 27 審判とは    

審判はどんなことを扱うのですか。

◎ 家事審判事項 主として、家事件手続法39条に審判で扱うことが書いてあります(ほかに、法244条や法290条もあります)。

以下、法39条が定める審判事項の一部を挙げます。

① 別表第1及び別表第2に掲げる事項。具体的には、後述します。

② 遺産分割の禁止の審判の取消し又は変更(法197条)

③ 審判前の保全処分(保全処分により選任した職務執行代行者の改任及び事情変更による審判前の保全処分の取消し(法112条)を含む。法126条、127条、134条、135条、143条、144条、157条、158条、166条、174条、175条、181条、187条。200条、215条、225条、239条、242条3項(158条及び174条を準用する部分に限る。))。

◎「甲類」「乙類」・「別表第1」「別表第2」

家事事件の中には、身分関係(親子関係などのこと。「士農工商」といったことではありませんよ!)を形成したり、変更したりすることになり、その事件の申立人など当事者に限らず第三者にも効力(対世効)があるなど、当事者が自由に決めていいとはいえない面があります。親子関係など、実際には親子ではないのに、「本人同士がいいというなら」と、親子関係ありとしてしまうのは、どうかな?と首をひねりますよね。

そのように、家事事件では、実際の事実(実体的真実)に基づいて判断する必要性が高いとして、「公益性」「後見性」がある、と言われます。もっとも、家事事件のすべてが同じ程度に公益性等の特長があるというわけではなく、公益性が比較的高いもの・比較的高くないものなど、事件類型ごとにさまざま。 そのため、家事事件はその性質に応じて大きく2類型に分けられています。家事審判法(旧法)では、家事事件は、調停をすることができない甲類事件と調停をすることができる乙類事件に区別されていました。

新法である家事事件手続法では、おおむね、甲類事件を別表第1に、乙類事件を別表第2に掲げ、異なる手続を用意しています。別表第1には、比較的公益性が高く、当事者が自らの意思で決めることのできない権利・利益に関する事項の事件、別表第2には、比較的公益性が低く、当事者が自らの意思で決めることのできる権利・利益に関する事項についての事件が分類されています。

◎ たとえば?  

いきなり「別表第1」「別表第2」などと言われても、何が何だかわかりませんよね。具体的にどんなものがあるかは、家事事件手続法を読んでみてください…というのではあまりに不親切なので、いくつかピックアップしましょう。  さて、別表第1には、たとえばこんな事項があります。後見開始、成年後見人の選任・解任、失踪宣告、子の氏の変更についての許可、親権喪失・停止、未成年後見人の選任・解任、遺言の確認、遺言書の検認、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づく性別の取扱いの変更、児童福祉法28条に基づく都道府県の措置についての承認…。まだまだたくさんありますが、「公益性が高そう」とイメージできますね。

では、別表第2にはどんな事項があるでしょう。婚姻費用の分担、面会交流や養育費など子の監護に関する処分、財産分与、離婚時の親権者の指定・離婚後の親権者の変更、遺産分割、年金分割など。「なるほど、多少時間がかかっても、当事者が協議して決めるのにまずは委ねるといいかな(調停ができるといいかな)?」と思えますね。

カテゴリー:打越さく良の離婚ガイド

タグ:非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / フェミニズム / 女性学 / 弁護士 / 打越さく良 / 審判