エッセイ

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2015

離婚訴訟と調停・審判の記録・弁護士が必要?【打越さく良の離婚ガイド】NO.3-11(36) 

2014.08.18 Mon

36 離婚訴訟と調停・審判の記録 弁護士が必要?

◎裁判と調停・審判は別の手続き

離婚を求めて訴訟を提起しました。同じ家庭裁判所なので、調停や審判の記録はいかされるのでしょうか。弁護士がいなくても大丈夫でしょうか。

調停や審判の記録は  調停が成立せず不調に終わる場合、原告は改めて訴えを提起しなければなりません。調停が行われたのと同じ家庭裁判所で訴訟が行われるのなら、記録も調停や審判の担当部から人事訴訟の担当部へ引き継いでもらえるような印象を抱くかもしれません。

しかし、調停・審判と訴訟は別の手続であり、記録も引き継いでもらえません。調停手続では、当事者が譲歩しあい合意を形成するために、調整が重ねられます。交渉や妥協のために提出した資料がそのまま人事訴訟において利用されるとしたら、かえって裁判所を混乱させるかもしれませんし、当事者も訴訟での展開を懸念して、譲歩に慎重になり、調停も成立しにくくなってしまいかねません。

調停や審判で提出した資料等をまた証拠として提出するのは面倒だし、主張書面も然り。またコピーして、あらためて提出するのは手間だ、と思われるかもしれません。もっともです。しかし、調停・審判、訴訟の違いを踏まえて、記録は引き継がれないことになっているのです。

あらためて、主張をまとめ、裏付けとなる証拠を精査し、提出してください。なお、自分が調停時に提出した資料でも、相手方に渡していたら(手続の透明性を重視する家事事件手続法以降、収入証明など客観的な書類などは特に、調停委員会に限らず、相手方の分も提出するよう求められます)、訴訟の段階で、自分が提出を保留していても、相手方が、「調停時の主張と違う主張を現在している」などという理由で提出してくる可能性があります。別の手続とはいえ、調停や審判時と異なる主張立証は信用性を減じてしまうもの。一貫した主張を心がけてください。

弁護士がいなくても大丈夫?

人事訴訟法上、離婚裁判で代理人をつけなければならないとは定められていません。
ですから、弁護士に委任せずに自分で頑張る、という選択肢も当然あります。

しかし、話し合いによる合意を目指す調停と違い、訴訟は、裁判所が事実を認定し評価する判決に向けて、当事者が法的な主張を展開し、その主張を裏付ける証拠を提出する手続です。法律や裁判の専門家たる弁護士でないと十分な主張立証をし、相手方の主張立証に的確に認否反論することは、難しいかもしれません。

慣れないと、調査や書面の作成の時間も余計にかかることでしょう。 また、当事者ご自身だけで抱えるというのは、不安でしょう。訴訟の当事者となるというのは、ストレスも強いもの。疑問点や心配事を確認し逐一解消できると、ストレスも軽くなります。

弁護士に頼むと、費用はかかりますが、時間、労力の軽減という面でも、得るところが大きいでしょう。 費用の点が心配ならば、この連載の1-6で紹介した通り、最寄りの法テラスに赴かれて、相談してみるとをおすすます・

【連載】1-6 http://wan.or.jp/reading/?p=6052

カテゴリー:打越さく良の離婚ガイド

タグ:非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / フェミニズム / 女性学 / 弁護士 / 打越さく良 / 審判 / 離婚訴訟 / 調停