原発ゼロの道 エッセイ

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大間原発をとめるためにクリスマスは東京地裁へ 野村保子

2014.12.23 Tue

2014年4月3日、函館市は大間原発建設差し止めを求めて国と電源開発を提訴した。2008年建設許可が出された大間原発は世界で初めてのフルMOX原発であり、原爆の材料であるプルトニウムを1年間に6•5トン装荷する危険極まりない原発である。函館市工藤寿樹市長は2011年4月に市長に当選したが、その1ケ月前、選挙中に福島第一原発事故に遭遇した。原発が事故を起こしたときには自治体の存続が難しくなるとの認識で選挙中に大間原発凍結を謳い当選した。

 工藤市長は、原発はもし事故が起きたら1民間企業のために27万人の市民の安全と財産が危機にさらされる。また事故後原子力防災計画で函館は避難計画策定計画の範囲(UPZ)内になったにもかかわらず、原発建設に何の意見も言えないのはおかしいと主張した。

 7月3日、第1回目の口頭弁論で工藤市長は、大間原発建設差し止めは市民の命を守る首長としての使命であると断言。2013年福島県南相馬。飯館村などを訪問した経緯を述べ、福島では今も人が帰れない。函館を帰れない街にするのか、と30分を超える意見陳述の中で訴えた。国側はこれまでになく、1回目から意見陳述を行ない、地方自治体は固有の財産権を持たないため函館市は原告不適格で請求権がないと門前払いを主張。10月29日、第2回目口頭弁論では函館市は福島原発事故例から自治体消滅の事実をあげて反論した。

 12月25日、東京地裁の第3回口頭弁論ではまたも函館市の原告不適格と、福島原発事故後の原発裁判の判例を元に反論の予定である。12月14日の国政選挙で、原発を選挙の焦点とすることを避けてきた政権与党であったが、一転目白押しの原発推進姿勢を打ち出している。大間原発の原子力規制委員会の適合性審査の申請、大飯原発適合性審査申請、有識者会議では老朽原発の建て替えを視野に入れた答申を用意していることが表に出てきた。原発への傾斜をなし崩しに進めようとする国や電力側の思惑に楔を打つためにも、25日大間原発建設差し止め裁判が行われる東京地裁の前を人の波で埋めたい。

第3回口頭弁論 東京地裁103号法廷(大法廷)(最寄り駅:地下鉄霞ヶ関駅A1出口)
12月25日(木)午後3時 傍聴整理券の配布は2時半まで。その後、傍聴券抽選・配布。
<裁判報告集会> 
午後4時~  会場:参議院議員会館講堂
弁護団から裁判の報告  
主催: 大間原発反対関東の会

(野村保子「大間とわたしたち・未来につながる会」)

カテゴリー:脱原発に向けた動き / 投稿エッセイ

タグ:脱原発 / 原発 / 福島 / 野村保子