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『フリーダ・カーロの遺品 -石内都、織るように』 中村奈津子

2015.06.05 Fri


死後
50年を経て姿を現したフリーダ・カーロの遺品

写真家・石内都のまなざしは、画家であった“ひとりの女性”の姿を写しだす

時空を超えて2人の女性が交差する、「記録」と「記憶」を巡るドキュメンタリー

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 メキシコを代表する女性画家、フリーダ・カーロ。シュルレアリズムの作家としてヨーロッパでも評価されただけでなく、身体の不自由やメキシコ近代化の荒波に翻弄されつつも、ひとりの女性として力強く生きたその人生は、現在でも世界中の人々の共感を呼んでいる。

2004年。死後 50年を経て、彼女の遺品が封印を解かれた。2012年、メキシコ人のキュレーターの発案によりその遺品を撮影するプロジェクトが立ち上がり、依頼を受けたのが世界的な写真家・石内都。メキシコシティにあるフリーダ・カーロ博物館《青い家》を訪れた石内の前に、フリーダのアイデンティティを支えた伝統衣装やアクセサリー、絶え間ない身体の痛みを想起させるコルセットや医薬品等、膨大な数の遺品が一つ一つ並べられていく。それは喜びや誇りとともに様々な “痛み ”を抱えながらフリーダが生きていた証であると同時に、彼女の記憶をも内包しているようだった。生きることそのものを描き続けた画家、フリーダ・カーロ。彼女の遺品を見つめ、撮影した石内都の写真には何が写ったのだろうか。

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本作では、石内都の 3週間に渡る撮影過程に密着取材。写真家が遺品を見つめ、これまでのイメージから解き放つようなフリーダ・カーロ像を、写真として発見していく過程を丹念に映像に収めた。監督は『ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ』で、国内外で高く評価された小谷忠典。石内都の創作過程を追いながら、遺品の背後に広がる、メキシコの風土、引き継がれる伝統、現在を生きる女性たちの姿をも捉えた。

フリーダ・カーロが生きていた証とそれらを写し取った写真が、時間と場所を越えて旅をする、「記録」と「記憶」を巡るドキュメンタリーが誕生した。

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シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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これまでだれも想像をしたことがない、新たなフリーダ・カーロ像をぜひ、このドキュメンタリーでご覧ください。

公式ウエブサイトはこちら

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© ノンデライコ2015

配給:ノンデライコ

監督・撮影:小谷忠典

出演:石内都

2015/日本/89分/日本語、スペイン語、英語、フランス語

後援:メキシコ合衆国大使館

配給・製作:ノンデライコ

宣伝協力:テレザとサニー

カテゴリー:新作映画評・エッセイ

タグ:アート / ドキュメンタリー / 女とアート / 中村奈津子 / 女性表象

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