アートの窓

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平川滋子(アーティスト)〜環境アートを展開〜

2010.05.27 Thu


写真左から:《光合成の木》2009年、《光合成の木》(部分)2009年、《接続された空気&服従した水》2003年、《神々の滑り台》2006年
はじめて野外で仕事をしたのは1989年、北フランスで。以来フランス各地に移動のたびに、その土地の環境や、厳しい自然に立ち向かってきた人々の知恵な どに遭遇し、インスピレーションを得ながら環境アートを展開している。
1992年、公園を利用した野外展の折に、水道局が利用する人工色「フルー オレセイン」を知り、自然の中で水に色をつけて水の追跡調査をするという発想におどろき、アイデアを集積して個展《追われる水》(2001)で、水のイン スタレーションを発表した。

主題は、水から空気へと移行し、近年は、われわれの酸素を供給する森林のエコシステムの危機をベースに、《空 気が危ない?》プロジェクトを推し進めている。このプロジェクトの主要なエレメントは《光合成の木》*で、われわれの酸素を供給する木々に注目を集めよう とする木である。自然の木々は太陽が出ているときに光合成を行うので、太陽光が当たると紫色になる特殊なピグメントを混合したプラスチックの葉をつけた人 工の《光合成の木》が、日中は紫になり夜は白くなって、毎日自然の木々が行っている光合成を視覚化する。

《光合成の木》は、アルジャン トゥイユ市(2006年)、北フランスの炭鉱博物館(2007年)、ニューヨーク州ジャメイカ・センター・フォー・アーツ・アンド・ラーニング(2007 年)、東京、国立新美術館(2009年)で実現。今年、6月26日から8月29日まで、ルーアン市企画で植物公園の木を三本利用した《光合成の木》がもう ひとつのエレメント《酸素分子》を織り交ぜて実現予定。

平川滋子
ひらかわ しげこ

■プロフィール
フランス在住、環境アート・インスタレーション作 家。1984年から、フランス各地、イギリス、ポーランド、ドイツ、ベルギー、アメリカで作家活動。

福岡県久留米市生まれ。
1975  東京女子大学文理学部史学科日本史専攻卒業
1980 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1983-1986 フランス政府給費留 学生
1983-1986 パリ国立美術学校在籍
1987 フランスのアーティスト・ステータス取得
1989 第一回ア ダン賞受賞、サロン・ド・ラ・ジュヌ・パンチュール (パリ、グラン・パレ)
1992 コンクール《町の中の彫刻家達、アンリ・ゴーディエ・ブル ゼスカへのオマージュ展》、プロジェクト賞受賞(サン・ジャン・ド・ブレイ)
1992 1% アーティスティック、イル・ド・フランス地域議会プ ロジェクト
1999 東京大学大学院数理科学研究科のための作品制作
2003 日本文化庁特別派遣芸術家在外研修員 、ニュー・ヨーク出 向
2006 ポロック・クラズナー・ファンデーション、グラント受賞 (アメリカ)

■もっと知りたい方はこちらを どうぞ。
平川滋子オフィシャルサイト
http://www.shigeko-hirakawa.com/NewSite/Index_J.html

フランスのきのう、きょうブログ
http://shigeko-hirakawa.com/blog/

カテゴリー:ギャラリー / 平川滋子(アーティスト)

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