上野研究室

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第14回上野ゼミ なぜあんなにバリキャリだった彼女が「女の幸せ」に目覚めるのか

2013.04.16 Tue

【なぜあんなにバリキャリだった彼女が「女の幸せ」に目覚めるのか】

日時:5月9日 18:00~20:30

会場:三鷹かたらいの道市民スペース 第一会議室 (定員20名)

懇親会:三鷹「たべもの村」(21時ころから)

 

 ▼発表者:

中野円佳

 

▼概要:

「へぇ、あいつも女の幸せに目覚めたの」「超バリバリ働いてたのに、子ども産んであっさり辞めちゃってさ、もったいないよね」。結婚前後から育児中の現在にいたるまで、自分自身が、友人女性が、そして、論文のための研究対象者を紹介してもらう上で、何度も聞いた台詞だ。いや、思えば会社に入って以来、社内外の男性たちから聞かされ続けてきた。「女は結婚すると皆あーなっちゃうんだよな」「お前はああいう風になるなよ」。そして彼らの目から見れば、見事に自分も「ああいう風」になったのだろう。戦線離脱。家庭が大事になっちゃう。会社に甘え、ぶらさがってるだけ。あーあ、残念。もったいないね~。そう。言うほうは簡単である。そして、「ああいう風」の現実を理解していないだけではなく、そこに至った経緯、そこにあった苦悩や葛藤、そして何より、そこに、そうさせる構造があるなんてことに思いも寄らないのだ。

 

本発表では、2000年代に就職をした総合職女性の出産後の復帰に至る経路を、学生時代から遡って分析する。そこには、「男なみ」の就活がもたらす「女ゆえ」退職のパラドックスがある。彼女たちが敢えてハードな職場環境を選び、夫の協力も得られず、二重負担に陥っていくのは自業自得なのか。「女らしさ」なんて蹴散らして男と対等に戦ってきた女性たちは、どのように育ち、どんな階段を上り詰め、どこでジェンダー秩序に巻き込まれ、その構造を強化する側に回っていくのか。あんなにバリキャリだった彼女は、どうして「女の幸せ」に目覚めるように「見える」のか。その経緯、そこにある苦悩や葛藤、そうさせる背景と構造を解明することを目指す。

 

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