2013.09.02 Mon
竹井隆人著『デモクラシーを〈まちづくり〉から始めよう』(平凡社刊)
刊行記念公開対談 上野千鶴子(社会学者)×竹井隆人(政治学者)
◇登壇者:上野千鶴子、竹井隆人さま
◇司会:明石健五さま(『週刊読書人』編集者)
◇会場:京都大学・衣笠キャンパス内 創思館 303&304(3階)
『デモクラシーを〈まちづくり〉から始めよう』は、〈まちづくり〉に従事してきた竹井隆人氏ならではの、デモクラシーから始める〈まちづくり〉考である。
〈まちづくり〉とは、ほぼ例外なくハード面での整備、たとえば高層ビルディングという大規模で堅牢な建築物を新造または建て替えることをその成果とし、それで「終わってしまう」ことがほとんどだが、そもそも〈まちづくり〉とは一過性のものではなく、日頃から人びとが主体となって、共同してその“まち”を運営し、維持していこうとする意欲と営為の継続(つまりデモクラシー)を指すのではないのかと問う。
竹井氏のこうした問いかけは、〈まちづくり〉のみならず、混迷する政治状況に直面している私たち国民全員に問いかけてられている。これは“まち”だけの問題ではないのだ。国家や地方自治体といった、より大きな人びとが居住することを基点とする、あらゆる社会にとっても同様のはずだ。本書はそうした考えのもとに、昨今の東日本大震災において露呈した原子力ムラの存在から、シャッター通り商店街や騒音おばさんまで、今日的な問題を例にとり、デモクラシー不在の日本社会の問題を問い直す試みである。
対談者の上野千鶴子氏は、そんな日本社会における欺瞞の多くをあばいてきた。『家族を容れるハコ』では、住宅問題にも提起をし、『脱学校化社会』では学校制度にも的確な指摘をしている。私たちが見失いがちな、「仲良し=コミュニティ」によって隠されている、似非正義のなかにひそむ真実を、上野氏はいつも見事に見抜いてくれる。
そんな二人の対談は、これからの未来を作る学生にとっても非常に刺激的で有益なものになると確信している。
アクセス
主催
立命館大学先端総合学術研究科
共催
株式会社平凡社、週刊読書人
問い合わせ先
平凡社 担当 安井梨恵子
uenovstakei@gmail.com
(このアドレスは今回の対談のためのもので、対談終了後に削除されます)
詳細はこちらからどうぞ → http://www.r-gscefs.jp/?p=4443
カテゴリー:ちづこの手帖