長時間労働に起因する過労死、過労自殺の増加、
ハラスメントが横行し、企業としてのコンプライアンスが遵守されないブラック企業、
正社員として働きたくても非正規雇用しか選択できない若者たち、
働いても働いても豊かになれない相対的貧困率の上昇、
妊娠・出産での職歴の中断で「模範的で献身的な社員」ではないと判断され苦悩するワーキング・マザーたち。
「働くこと」は個人的なものではなく、社会的な問題ととらえ、
「ディーセント・ワーク」をキーワードに、参加者とともに「働くこと」を考えるシンポジウムを開催し、
雇用崩壊した日本社会を根本的に変えるための処方箋を参加者とともに、つくりあげます。
【日時】2016年5月21日(土)午後1時30分~5時
【会場】城西国際大学 3号棟 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-26
【登壇者】
パネリスト/討論者
大槻奈巳 聖心女子大学教員
緒方桂子 南山大学教員
鴨桃代 なのはなユニオン委員長
原ひろ子 城西国際大学教員
三浦直子 弁護士、名古屋大学客員研究員
コーディネーター
渋谷典子 認定特定非営利活動法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)副理事長
WANシンポジウム2016 ご案内はこちらから
パネリスト ご紹介
大槻 奈巳 聖心女子大学文学部教授。専門は、職業社会学、労働とジェンダー。
働くことにおけるジェンダー格差、女性とキャリア形成などの研究に取り組んでいる。
近著『職務格差』(勁草書房、2015年)では、「女性の活躍推進」を阻んでいるものは何かという問題について、子育て・家事といった家庭内の責任からではなく、職場や仕事に焦点をあて、その要因を探っている。
緒方 桂子 南山大学法学部教授。専門は、労働法。
「非正規労働者の均等待遇」という研究テーマに取り組んでいる。
研究とともに、労働委員会の公益委員や労働局での個別労働関係紛争あっせんの紛争調整委員の経験を有し、また法律事務所での顧問などを務めている。
鴨 桃代 なのはなユニオン委員長。1988年に誰でも一人でも入れる労働組合「なのはなユニオン」を結成。
同ユニオンの書記長、委員長を経て、1999年にコミュニティ・ユニオン全国ネットワークの共同代表に就任。2002年11月に結成された全国コミュニティ・ユニオン連合会(略「全国ユニオン」)の初代会長にも就任した。労働相談を続けながら、非正規雇用者の権利保護・拡大、「男性規準の働き方」からの転換に力を注いでいる。
原 ひろ子 城西国際大学客員教授。専門は、文化人類学、ジェンダー研究。
文化人類学者として数多くのフィールドワークを実施し、『へヤー・インディアンとその世界』、『子どもの文化人類学』など多数の著書を発表。さらに、アジア諸社会におけるジェンダー事象、人口・健康と女性、開発とジェンダー、女性研究者の研究環境改善などについての研究や活動にも従事。
東日本大震災以降、復興支援に取り組み、ジェンダーの観点から、災害・復興政策に関する研究を続けている。
三浦 直子 弁護士、名古屋大学客員研究員。
コンビニエンスストアの元店長の未払い残業代及び過重労働によりうつ病に罹患したとして損害賠償を請求した事件(「SHOP99(名ばかり管理職)事件」)、日産自動車派遣切り事件をはじめ多くの労働事件、過労死・過労自死事件を担当。
日本弁護士連合会貧困問題対策本部ワーキングプア部会及び自殺問題対策PT事務局委員、非正規労働者の権利実現全国会議事務局次長、日弁連第58 回人権擁護大会「女性と労働 ~貧困を克服し、男女ともに人間らしく豊かに生活するために」実行委員として、労働時間、賃金等に関する海外調査(米国、オランダ)やシンポジウムの開催、意見書の発表等の活動に取り組んでいる。