ドキュメンタリー映画『何を怖れる フェミニズムを生きた女たち』では、全国各地でたくさんの方々にご覧頂くことができました。ありがとうございました。
その間、どの上映会に行っても、映画が終わった後観客の皆さまの熱い語り合いが生まれ、同時に出版した書籍も予想を超えて多くの読者を得られたことにはたいへん大きな勇気をいただいたものです。

日本の男女共同参画社会の発展を願いご助力をくださった皆さまに、この場を借りて御礼申し上げます。
考えてみれば、もし『何を怖れる』がなかったら、今回のドキュメンタリー『不思議なクニの憲法』は生まれることはなかったと思うのです。まさに今回の作品に取り組む動機は「個人的なことは政治的である」とのフェミニズムのメッセージをさらに多くの人びとに訴えることにあったのでした。

たとえば、昨今の改憲論議を聞いていると「9条問題」ばかりに目がいってしまいますが、それよりもっと問題なのは、自民党の改憲案に書かれている「個人の尊重」、「幸福追求権」や「生存権」がいちじるしく毀損されようとしている点なのです。
「互いの違いを認め合い、私が私らしく生きていい」。これが憲法に保証されたわたしたちの権利です。憲法によって70年間守られてきたためにすっかり当たり前になっている「基本的人権」が侵されようとしていることは、進む格差社会や秘密保護法などで証明されています。

国民が権力の暴走をしばるためにあったはずの憲法が、安倍政権のたくらみによって国家が国民の自由をしばる憲法に変えられようとしている。こちらのほうがもっと問題だと思い映画『不思議なクニの憲法』では全国の各層各世代の普通の人びとに多数登場していただいて、生活者の目線からの憲法観を聞いて歩きました。

また、憲法に対する知識や意識は人によってまちまちで、作品のコア・ターゲットをしぼるのにたいへん苦労しましたが、現憲法の成立過程を含め最低限これだけは知っておきたいという歴史的事実を駆け足でおさらいしています。

そしてこの一年、全国を取材して歩きながら痛切に感じたのは、安倍政権のたくみな政治手法に危機感をもっているのは女性たちであるといいうことでした。この国をふたたび権力によって管理される国にしてはならない、後になって「騙された」と言わないために、子供達の世代に平和で基本的人権が守られた国としてバトンを渡すために、今こそ女性たちの力で権力の暴走にストップをかけるときがきていると思います。

映画『不思議なクニの憲法』を観ていただき、皆で一緒に語り合いましょう。
全国の主要都市では、映画館での上映期間中にご覧いただけるようお願いします。また、ロードショーが終わった後や、映画館上映のない地域では、参院選の前にあなたの自宅で参加者10人でもできるミニ上映からの上映会開催を呼びかけています。

詳しくは作品公式サイトをご覧になって、あなたの地域で一人でも多くの方にご覧いただけるよう、お力をお貸しください。

『不思議なクニの憲法』監督 松井久子

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『不思議なクニの憲法』公式サイト 
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