一度でも病院に通った人ならば、思うであろうが、看護師という職業は、医学的な技術とともに、倫理的にもすぐれていなければならないという責務を負っている。
そして、命に関わる職業であり、同時に過酷な職場であるから、現場はつねにリスクを負っている。
このため、長い間、客観的な研究はほぼなかったと言っていいであろう。本書は、労働史研究の立場から、看護婦(戦前がメインである)の職業の確立から賃金など労働の実態にふれた労作である。今後の医療史研究の基礎になる、信頼できる研究である。(編集者 永田伸)
2017.02.07 Tue
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