前回に引き続き、舞台はベルギー。
ブリュッセルを離れ、北部フランドル地域の街、ブリュージュへの旅をご紹介します。
運河が張り巡らされたブリュージュには、世界遺産に登録されている中世の美しい町並みが残されています。
フランドル地方の中心地として毛織物産業が盛んで、中世にはヨーロッパ各国との交易により、一大商業都市として栄えた時代もありました。
15世紀に一度衰退し、19世紀に観光地として脚光を浴びたため、中世の町並みが手つかずのまま保存されています。

ブリュージュ駅には、ブリュッセルから電車に乗って1時間弱で到着。
駅から町の方面へ歩いて行くと、早速美しい運河と優雅に泳ぐ白鳥の姿が見えてきます。
観光地だと言うのに、まるで時が止まっているかのような静けさ、そして童話に出てくるような可愛らしい建物とそれを囲む美しい木々との調和した風景に思わず言葉を失いました!
そんな美しい町並みを一望したい方には、運河クルーズがお勧めです。
「北のヴェネツィア」とも称される水の都ブリュージュの運河には、50以上の橋が架かっており、水運と共に発展した町の歴史を味わうことができます。

町に一歩踏み入れると、一面に敷かれた石畳とその上を走る馬車が訪問客を中世の世界へと誘います。
町の中心地マルクト広場は細かな装飾がほどこされた建築物で囲まれ、町のランドマークとも言える鐘楼に上れば、ブリュージュの景色が一望できます。
隣の写真は市庁舎ですが、ブリュッセルと同様、とにかく美しく荘厳な作りが一際目を引きます。

鐘楼

市庁舎

ところで、皆さんはベルギーの人々が何語を話すかご存じですか?
北部はオランダ、南部はフランスとルクセンブルク、東部はドイツと接しているベルギーは、日本の国土の12分の1ほどの面積しかないにも関わらず、実に様々な言語が話されています。
公用語はフラマン語(ベルギーにおけるオランダ語の呼び方)、フランス語、ドイツ語の3つ。
ブリュージュが位置するフランドル地方では、フラマン語を話す人口が半分を超えます。
ブリュージュを散策中に、オランダのものとよく似た風車を発見することが出来ました。
一方、首都ブリュッセルではフラマン語とフランス語が公用語になっているので、フランス語で書かれたお店の看板が目立ちます。
レストランで食事を取っている時のこと。
お隣にいた現地の方が話しかけてくれましたが、フランス語だったので理解できず…お互いに片言の英語で会話した記憶があります。
さらに南部の地域では、英語はあまり通じないようで、1つの国の中に様々な文化が混在し、場所を移せば外国に行ったような気分になれます。
イギリスとユーロスターで結ばれ、すぐに到着できるという理由で計画したベルギー旅行。
事前に情報を集めないまま現地に向かいましたが、行ってみれば、美食、美観、芸術がぎっしり詰まった国でした。
文章と写真ではベルギーの魅力を十分に伝えられないので、ぜひ足を運んでみてください。
(ちなみに、グラスに入っているのはワインではなく、フルーツビール。フライドポテトはベルギーが発祥の地で、よく料理に添えられます。)

(つづく)
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