Calendario postal Destinos
南半球のチリにはいよいよ夏が到来しました。屋外プールも始まり、子どもたちのにぎやかな声が聞こえてきます。
12月というのはなぜだか慌ただしいもの。油断しているとあっという間に新年を迎えてしまいます。来年のカレンダーは早めに買っておきましょう。
というわけで、南米サンティアゴからお届けするお土産ガイド、今回ご紹介するのはカレンダーです。
先日、在チリ約10年になる日本人女性から、「お土産にぴったりな、オシャレなグッズをあつかってるお店があるんですよ」と教えてもらいました。
そのお店がこちら Kaikai(カイカイ)http://www.kaikai.cl/
カイカイとはチリの先住民マプチェ族の神話に出てくる大蛇の名前。
チリの自然や文化をテーマにした、チリのアーティストが手掛けるグッズを販売しています。
過剰包装をさけるなど、環境保護にも気を使っているそうです。
こちらのお店はオーナーから営業スタッフまで、全員女性で運営されています。
チリをモチーフにしたオシャレでかわいい雑貨がたくさんあるではないですか!
チレニスモというチリ特有のスペイン語(チリ弁)のグッズも(下の左側の写真)。
カイカイで私が購入したのが上の右側のカレンダー。
イラストはチリ人女性デザイナー・イラストレーターのマニュエラ・モンテーロさんの作。
(公式サイト http://manuelamontero.cl/)
やわらかい色彩とやさしいタッチで、チリの代表的な観光地・都市12か所が描かれています。
絵葉書サイズでデスクにぴったり。
パソコン作業の合間にも、可愛いイラストで癒されます。
出張の際のお土産にいかがでしょうか?
それではカレンダーに描かれた観光地を紹介していきましょう。これさえ見ればチリの観光ポイントをしっかり押さえられるかも?
写真左から
1月 トーレスデルパイネ Torres del Paine
チリ南部パタゴニア地方にある国立公園。そびえたつトーレスデルパイネ(パイネの3本の塔。右上)が有名です。国立公園内ではトレッキングや大迫力の氷河クルーズも楽しめます。コンドル(左上)やピューマ(左真ん中)が生息し、ドッグオーキッド(ランの一種)など貴重な植物も見られます。絶滅した巨大なナマケモノ、ミロドン(右下)が発見された洞窟もあります。
2月 マウレ Maule
雨が多く、緑に恵まれた地方。滝が連なるラダル・シエテ・タサス(7つの滝壺)は国立保護区の名前にもなっています。キャンプ場があり、夏にはたくさんの家族連れが訪れます。渓谷を走るのは青と黄色のマイレ鉄道。左下はチリに広く分布するクルペオギツネです。
3月 アタカマ Atacama
チリ北部に位置する、世界で最も乾燥した砂漠地帯。アタカマ富士と呼ばれるリカンカブール山がそびえる荒涼とした景色が広がりますが、春には砂漠一面に咲く花という幻想的な光景が見られます。左下のウサギのような動物は、げっ歯類のビスカッチャ。いつも眠たげな目をして日向ぼっこしています。アタカマ塩湖にはアンデス・フラミンゴも生息。
4月 サンティアゴ Santiago
アンデス山脈を臨む首都。左奥のコスタネラセンターは南米一の高さを誇る、64階建ての超高層ビル。マポチョ川の左手にあるのがサンクリストバルの丘。ここから市内を眺めるロープウェイに乗ることができます。じつは市街から1時間半ほど車で走るとアンデス山脈でスキーが楽しめます!
5月 イキケ Iquique
チリ北部随一の湾岸都市。市街地のすぐそばにきれいなビーチもあり、砂漠の上を飛ぶパラグライダーも体験できます。ラ・ティラーナ村の祭が有名。悪魔の仮面(右下)を被って踊るラ・ディアブラーダという踊りは、チリの幼稚園の定番出し物です。
6月 アラウカニア Araucanía
先住民マプチェ族がスペインの支配に対して激しい抵抗を行った地域。現在でもマプチェ族が多く住んでいます。川と湖が多い地方で、ラフティング(川下り)の名所でもあります。湖の向こうに見えるのは噴火活動中のジャイマ火山。右上の鳥は南米最大のキツツキ、マゼランキツツキ。
7月 コルチャグア Colchagua
チリを代表するコルチャグアバレーのあるワインの名産地。アンデス山脈と海岸山地にはさまれた地域にブドウ畑が広がっています。プレミアムワインを生産する新興ワイナリーが多いのが特徴。チリ中のワイナリーをめぐるワイナリーツアーのルートにも入っています。
8月 サン・ペドロ・デ・アタカマ San Pedro de Atacama
16世紀、先住民アタカメーニョ族によって建設されたチリで最も歴史ある街。周辺には多くの遺跡が遺っています。17世紀にたてられた、日干しレンガ造りのサン・ペドロ・デ・アタカマ教会(中央左)は、白塗りの壁が美しかったのですが、なぜか最近赤茶色に塗りなおされてしまいました。
9月 チロエ Chiloé
大陸とは一風変わった独自の文化を持つ島。ヨーロッパから来た宣教師によって建てられた教会群は世界遺産に指定されています。第1回(https://wan.or.jp/article/show/7417)で紹介したジャガイモも名産です。薄い木の板を重ねたうろこ状の外壁が、島の家々の特徴です。
10月 ラパヌイ Rapa Nui
イースター島ってチリ領なんです。ラパヌイとは先住民のことばで「大きな島」の意味。スペイン語ではイスラ・デ・パスクア。本土から3,600㎞も離れた絶海の孤島(日本~グアム間よりはるかに遠い!)。もちろんモアイが有名ですが、ダイビングも楽しめます。運が良ければウミガメと泳げるかも。
11月 コンセプシオン Concepción
チリ中南部に位置するビオビオ州の州都。河口と太平洋に面した国内第3の商工業都市で、コンセプシオン大学の美しいキャンパスも見どころのひとつ。チリ建国の英雄たちを多く輩出した都市でもあります。左上の花はチリの国花・コピウエ。
12月 バルパライソ Valparaíso
世界遺産に指定された歴史的な街並みは、カラフルで個性的でどこかノスタルジック。アセンソールと呼ばれるケーブルカーも有名。チリ海軍の母港がある国内最大の港で、近年では大型クルーズ船の寄港地にもなっています。
さて、「南米チリのご当地お土産ガイド」も今年最後の更新です。ご覧いただきありがとうございました。来年もちょっとステキなお土産の紹介を通じて、チリという国を知っていただけるようなコラムにしていきたいと思っています。
少々気が早いですが、みなさまよいお年をお迎えください。
*エッセイコーナーで、ただ今柳原さんが「南米チリ・サンティアゴ見聞記」を連載中。あわせてご覧ください。
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◆商品情報
商品名:Calendario postal Destinos
公式サイト:http://www.elicina.es/
販売場所: Kaikai にて取り扱い。通販 http://www.kaikai.cl/
値段:8,500チリペソ(約1,525円)