2018年3月19日、函館地裁で大間原発建設差止市民裁判の判決が言い渡される。2010年7月に提訴し、2017年6月結審した。最大出力138万3千キロワットと国内では最大の原発で使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランの混合させたMOX燃料を100%装荷する世界初の原発である。大間原発は電源開発(株)が2008年着工し、2011年3月の東日本大震災により工事中断し12年10月に再開した。2014年*原子力規制委員会に新規制基準への適合審査を審査中である。  大間原発について2つの裁判がおきている。2014年4月函館市が地方自治体として初の原発差し止めを東京地裁に提訴した。  大間原発の問題点は、1、海底活断層の存在。下北半島は活断層に囲まれており半島は隆起した地形である。2、函館市亀田半島沖に約5万年前に巨大噴火した銭亀火山がある。また大間原発敷地には洞爺カルデラの噴火の跡がある。3、福島原発事故後、原発から30キロ圏内の自治体に避難計画の策定が義務付けられた。函館市を含む道南圏内は38万人が暮らし、北上するルート国道5号線は渋滞して車は動かないことが予想される。また高齢者など車を持たない人たちの避難も不可能である。4、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを燃料とするMOX燃料は核分裂反応のコントロールが難しい。  原発のごみを洗取り出したプルトニウムを燃料にする大間原発は電気のためではなくプルトニウム処理のために作られる事は明白だ。昨年使用済み核燃料貯蔵施設建設地を検討する科学的特性マップが公表され、全国の原発には使用済み燃料かたまり続けている。再処理して燃料として利用する核燃料サイクルのシステム作りのためにプルトニウムを処理する炉が求められている。プルトニウムの核転用疑惑を避けるために大間原発が必要とされる。  1976年大間町商工会が原発建設を町議会に要請し町は一気に原発建設に向かった。1994年漁協が漁業後賞金を受け入れ、同じ年、函館市民を中心に「ストップ大間原発道南の会」を結成した。函館に住む私にとって対岸の大間町に原発が立つことは青天の霹靂であった。24年の年月を改めて考えると裁判に至るまでの道筋とオーバーラップする。大間原発が作られた背景と大間原発に反対する思い、その問題点などを拙書「大間原発と日本の未来」(寿郎社刊2015年)に書いたので読んでいただけると嬉しい。タイトル通り大間原発は日本の未来を左右する。福島原発事故以降、新規原発建設の是非を問う初めての裁判である。3月19日の大間原発裁判の判決に注目いただきたい。