2012年に改正された労働契約法では、有期契約を繰り返して5年を超えれば無期契約に転換できる制度が盛り込まれた。改正法が施行されてから5年になるこの2018年4月には、無期転換の資格を得た労働者が申し出れば、雇用主はそれを承諾しなければならなくなる。(労契法18条)
 前回、この制度が周知徹底されていない現状の中で、期限直前になって 、有期雇用者が突然、契約打ち切りの通告を受けたり、 使用者が契約に上限を定めて、有期雇用者の無期転換をまぬかれようとする 事例が相次いでいることをお伝えした。
 ポジネット主催の緊急集会では、渡辺照子さんも声明文を読み上げている。ご本人の承諾を受け、全文、転載させていただく。
 緊急集会までの簡単な経緯と島津葉子さんの声明文はこちら。https://wan.or.jp/article/show/7703
転載ここから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 地球科学総合研究所に16年8ヶ月勤務していた渡辺照子さん(女性・58歳)は、昨年12月に雇い止めを通告されました。派遣労働者ですので、一文の退職金もありません。正社員とほぼ同じ業務をさせながら3か月更新を反復し、「次の更新はない」としただけで首切りしたのです。
 時には1ヶ月間に100時間近い残業をし、過労で倒れ救急車で病院に運ばれることもありました。 自費で10個の資格を取りましたが時給が上がることはありませんでした。正社員のように働かせて派遣のまま安い賃金で使い続けたあげくのひどい行いです。
渡辺さんが加入した派遣ユニオンは、派遣先の地球科学総合研究所に交渉を2度、申し入れましたが、地球科学総合研究所は拒否してきました。全く話し合いに応じようとはしません。 地球科学総合研究所の取締役兼総務部長は「派遣は何年勤務しようがそんなことは関係ない」と非人道的な態度をとっています。
 パーソナルテンプスタッフから地球科学総合研究所に派遣されている派遣スタッフ3名は、勤続5年、17年、24年でしたが、いずれも昨年12月末で一斉に雇止め(解雇)されました。
 「有期契約で働く人も5年を超えたら無期に転換しなければならない」とう労働契約法の定めを回避するための雇止め(解雇)であることは明らかです。
 このような企業による派遣労働者の使い捨てを許すわけにはいきません。話し合いさえ拒否する地球科学総合研究所に抗議します。皆様、ご支援、よろしくお願いします。
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 次回は、緊急集会で配布された、渡辺さんの資料「今回の雇い止めがはらむ問題」を転載します。