
ショパンやミュッセなどと恋愛関係にあった「恋多き女性」。ジョルジュ・サンド(1804-1876)について語られるとき、よく耳にするのがこの呼称。
しかし、まず作家として評価すべき人物なのではないでしょうか?
数多くの小説をものし、友人らに長い手紙を頻繁にしたため、女性の権利から政治についてまでの寄稿も手がけ、生涯書きまくった人物なのです。
そして、そのエネルギッシュな執筆活動を支えたのは「食」。
「コンフィチュール(ジャム)は自分の手で作らないといけないし、その間少しでも目を離してはいけません。それは、1冊の本を作るのと同じくらいの重大事なのです」
こんな名言を残す程、書くことにも、食べることにも一生懸命な女性だったのです。
サンドの言葉や思想は、現代のジェンダー、環境問題などに多くの気づきを与えてくれます。そんな彼女の人生を「食」という切り口で紹介する、まったく新しい文学評伝です。
本書では、サンドの作品の食風景を現代の生活に合わせたレシピで紹介したり、サンドをめぐるパリの旅を楽しめるページも設けました。
フランス文学をとっつきにくく感じている方にも非常に親しみやすく、フェミニズムの入門書としても最適な一冊です。
ノアンの「奥方」だけではない、サンドの新しい魅力に生きる勇気がわいてくるはず。
人生は、胃袋と心を満たすことから。さあ、女たちよ、食べるのです!
石川県のこまつ町家文庫では本書をイメージした無添加ジャムを販売中です。
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