ねこの小児科医ローベルト

著者:木地 雅映子

偕成社( 2019-03-01 )


「病気にかかってつらそうな子ども」を見るのは、つらいものです。 それがまだ幼い自分の子で、寒い冬の真夜中だったりしたら、なおさらです。 お世話をする手が足りなくて、てんてこまいになっていると、自分のことまでかわいそうになってきて、じわじわと泣きたくなります。
ましてや、「だいじょうぶだよ」って言って安心させてあげたくとも、本当にだいじょうぶなのかどうかが、自分にもわからなかったりしたら、もう、叫びだしたくなっちゃうくらいの不安です。 ああ、今ここに、「だいじょうぶだよ」って言ってくれる、信頼できる他の誰かがいてくれたらいいのに。

そう思っていたあの頃の私に、結局、助けは現れませんでした。 だから、助けが来るおはなしを書くことにしました。 夜中に、ぐあいが悪くなった子どものところへ、さっそうと駆けつけてくれる、とても腕のいいお医者さん。やさしくて、かしこくて、ふかふかのモフモフ。それがローベルトです。

漫画家の五十嵐大介さんが、この上なく美しく、魔法に満ちた絵を描いてくださいました。また、小児科医の金子光延先生に、丁寧な医療監修をして頂いたおかげで、同じ病気にかかってしまった時の手引きとしても、本当に役に立てていただけるものに仕上がりました。 小学校中学年くらいの子の読み物として、もう少し小さいお子さんへの読み聞かせ用として、ぜひご検討ください。もちろん、子どもの本が好きな大人の皆さんにも。