世界中から先端技術を志す人たちが集まってきて、みんなが切磋琢磨してイノベーティブなコネクテッドサービスを生み出すアメリカサンフランシスコベイエリア。
人種、年齢、LGBTQを含むダイバーシティが進み、能力、経験を元に評価される徹底的な実力社会。私は8年前に転職してここに住んでいます!
と堂々と発言できれば幸せなのですが。

皆さんお気づきですか?メディアに出てくる巨大ハイテク企業のトップは、全員男性である事、それも6,7年前までは全員白人男性でした。
一方でアメリカの女性管理職の割合は約40%という報道もありますが、実際の女性管理職は主に非技術企業やサポート部門のナンバー2以下に多く、部門のトップや技術系部門の管理職はほとんど男性です。
なぜ一番ではなく二番なのか?
数が少ない?実力が無い?実績が無い?仕事よりプライベートを重視する?
本当でしょうか。

少ないですがメディアに登場するハイテク企業の女性エグゼクティブもいます。
例えばGoogleやFacebookで働いているシェリル・サンドバーグ、GoogleからYahoo!へ行ったマリッサ・メイヤー、マリッサはエンジニアですし、どちらも学歴経歴職歴共に素晴らしい女性です。
しかし、一般には彼女たちの業績よりも、創業者誰々の昔の彼女だとか、誰々が一目惚れして引き抜いたとか、元カレの心変わりに対する当てつけで転職したとか。
そんなゴシップの方が業績よりも有名です。
そしてそれらの企業が成熟した今、彼女たちに続く人はいません。

確かにアメリカ社会は、ジェンダーレスの家族サービスをサポートしているように見えます。
しかし企業の中では、相変わらず男性以外は二番手以下、本当の意味で実力を認められることが少ないのはなぜでしょう。
女性はダイバーシティをアピールするためのアイコンのようであり、脅かさない存在であり、メイン業務をサポートする部門を任されたり、過去の恋愛関係などがフォーカスされつづけています。
性別のみならず人種問題も加わり、たとえ海外にでても、本当に公正に判断されている社会なのか、という事が疑問に思えます。

世界のマイノリティの日本人の皆さん、どのようにお考えでしょうか。

— 私について。
先日上野先生の2019年度の東京大学入学式の祝辞を読ませていただき、私の経験をお伝えしたいと思って投稿させて頂きました。
私は社会に出ても頑張れば必ず報われると信じて20年以上、真面目に業績を上げようとしてきましたが、会社はそれを望んでいないのだ、と今さら知ってショックでした。
そして海外に出ましたが、出たからと言って問題は解決しない、日本人女性に求められているのは、知識や実行力やリーダーシップではなく、従順で勤勉に働き、昇進昇給も積極的に望まない人だったのだと。

私自身はジェンダーバイアスを受けて育っていません、両親からは「頑張りなさい」と言われて育ち、何の迷いも無く国公立理工系に進学し、大学院修了してバブル崩壊後の一般企業に就職しました。
しかし入社10年を超えた頃から、私自身の環境は変わらないのに与えられる職務や昇進試験結果などに疑問を持つことが増え、15年を超える頃には透明な天井のようなものを感じ、チャンスを得ることも難しくなりました。
チャンスをいただけた時は本当に真面目に働きました、女性にとって業務上のミスは、命取りであると思っていたから全力で取り組んでいました。
しかし、男性の中には自分のミスを自慢げに話す人もいて、それもまた理不尽さを感じていました。
そして、海外の子会社に転籍する形で海外転職しました。
日本よりは実力主義で認められるだろうという期待と、世界に目を向けて本当の最先端に触れていたいと思ったからです。
しかし、現実はそこまでリベラルではなく、女性大統領も実現していません。

世界は変わり始めている、かもしれません。でもその歩みは遅く、しかも政治や経済の影響を受けていつでも立ち止まってしまいます。
私は、自分の強みを活かして生き生きと仕事をしたいですし、人種性別年齢関係なく、努力は報われるという希望をもちたいと思います。