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『語る老女 語られる老女―日本近現代文学にみる女の老い』倉田容子

2010.04.16 Fri

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私たちが恐れている老いの正体とは、一体何なのか。

本書は、日本近現代文学に描かれた老女像に着目し、女の老いを形作ってきた歴史的・社会的・文化的要素にアプローチする、ジェンダー/エイジング批評の試みである。
ここで取り上げた小説に登場する老女は、下女や老母、羅生門の楼上に潜む名もなき老婆、老いた芸妓、老いた主婦、被差別部落出身の老女、在日外国人の老女、老女性作家と、様々なバックグラウンドを背負っている。また、それらの小説の発表年は、『坊っちやん』が発表された1906年から『貴婦人Aの蘇生』が刊行された2002年までと、およそ一世紀にわたる。これらの多様な老女像がそれぞれに孕んでいる問題領域の射程を注意深く見定めつつ、彼女たちの老いをめぐる語りの様相やレトリックについて分析を行った。同時に、現実の高齢女性が置かれていた状況について調査を進め、女性の老いを多角的に照らし出すことを試みた。(倉田容子)








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