2019年12月27日
SAY (Safe Campus Youth Network):
慶應義塾大学学生有志、Voice Up Japan (ICU)
上智大学 Speak Up Sophia、創価大学学生有志
東京大学学生有志、早稲田大学学生有志
SAYFT (Safe Campus Youth Network Faculty Team)*

このたび、12月23日に確定された「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(以下「指針」という)において、私たちが求めてきた実効性のある就活セクハラの防止措置のための要求事項がまったく反映されなかったことについて、強く抗議します。  

私たちSAYは11月18日に指針案に対する緊急声明を発表し、指針案について抜本的な修正と共に、附帯決議に基づき、就活生に対するハラスメント防止に対する必要な対策について明記すること、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容について、労働者と同等のものを義務化すること、「職場」を就職活動の実態に即したものにするため、より広義に再定義しなおし、就活セクハラ防止のための実効的な規定を設けることを要求しました。しかし、その声はまったく聴き入れられませんでした。
 
さらに、指針確定にあたって、1,139件ものパブリックコメントが寄せられていましたが、パブリックコメントの締め切りわずか三日後に確定されてしまったことも遺憾に思います。厚生労働省には、就活セクハラは学生の人生を左右する非常に深刻で、迅速な解決を求められる問題であることを認識し、私たちの声を聞き入れ、真摯な対応を行うことを求めます。

就活生と企業社員との間には、構造上、圧倒的な力関係の不均等が存在し、それを背景として就活生へのセクハラや性犯罪が引き起こされています。それにもかかわらず、就活生には、労働者と同等の法的保護が及んでいないという現状は、到底納得できるものではありません。

報道によれば、経営側は就活セクハラに関して、「雇用関係にない方に、どこまで事実関係の確認ができるか難しい」と難色を示していたといいます(Business Insider「ハラスメント指針決定。就活生は対象外、パブコメ1割占めた#KuTooも盛り込まれず」2019年12月23日)。就活セクハラを防止する責任を自覚していないかのような発言には失望しか感じません。企業が社会的責任を自覚することを求めます。

私たちSAYは、以上のような抗議を表明するとともに、これからも様々な活動を通じて一刻も早く就活セクハラが根絶されるよう取り組んでいきます。

*本件に関してご質問等は、SAYFTメンバー、SAY連絡担当の 林香里(東京大学教員)・ 三浦まり(上智大学教員) sayft2019アットgmail.com 宛てにメールにてお問い合わせください(アットを@に変換してください)。

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