<執筆者から> 
 当初、女子学生の歴史を概観するつもりでいました。メディアがどのように女子学生を伝えたかも知りたかった。だが、むかしの雑誌、新聞をひっくり返すほど、女子学生が差別され興味本位で報じられているかがわかりました。それを伝えようと試みたのが本書ですが、その取り上げ方、筆致についても、興味本位というそしりを受けるかもしれません。
 ただ、女子学生がどれだけ多くの差別を受け大変な思いをしてきたか。それに対して女子学生はどう闘ってきたのかを、本書で知っていただきたいと思います。
 また、女子学生亡国論の思想、「女子大生ブーム」の虚実、就職差別、セクハラ、パワハラなどを列挙しました。基礎資料として活用されるくことを望んでやみません。

<内容紹介>
 早大教授(暉峻康隆)と慶大教授(池田彌三郎)が主張した『女子大生亡国論』から50年経って、はたしてそれがどのような道をたどったのか、女子大生&女子学生の(被差別の)歴史を追いかけた集大成。大学生活、課外活動、社会運動、学生運動、メディアでの発信、ミスコンや読者モデル、芸能活動などをとおして、女子学生が社会とどう向き合ってきたか、そこで理不尽なことに直面したとき、彼女たちはどう闘ってきたか。その全貌をはじめてあきらかにする。

<目次>
序章 世界中で女子学生は闘っている。
第1章 2010年代後半、女子学生の怒り
第2章 女子学生怒りの源泉=「女子学生亡国論」の犯罪
第3章 女子学生、闘いの歴史――社会運動
第4章 女子学生の歴史①(1950年代、60年代圧倒的男社会のなかで生き抜く)
第5章 女子学生の歴史②(1970年代、事件はキャンパスでも市街でも起こった)
第6章 女子学生の歴史③(1980年代、90年代「女子大生ブーム」の光と影)
第7章 女子学生の歴史④(2000年代~、女子学生急増。その背景と神話)
第8章 ミスコンと読者モデル 華麗な舞台の実像と虚像
第9章 女子学生、就活での闘い
第10章 女子学生が文化を創造する