芸術家(歌、作曲、パフォーマンス)のAine E. Nakamuraと申します。2016年から今年3月までニューヨークにて活動し、現在は日本におります。

十年以上抱えるびまん性子宮筋腫の3度目の手術を受けます。これに伴い、私の手術入院療養を、芸術のプラットフォームにすることにしました。

理由は三点あります。

一、わたしの女性の体、女性性を、他者から形づくるのではなく、自分で探し、みつけ、定義したい。

ニ、女性の病気、特に子宮や卵巣に関する病気について、患者は、私を含め、隠して抱えていることが多いが、それはなぜか。隠すべき臓器なのか。社会から求められる「女性性」「女性の体」に反しているからなのか。症状は人によっては深刻で、生活と社会活動に工夫が必要であり、なかなか理解されるものではない。また様々な健康の目標があってよい(ただ心身ともに健やかに生きたい人、不妊治療を希望する・しない人、今または将来に妊娠を希望しないわけではないが無理はしたくない人、もっと別のところに価値を置いている人、本来答えは多様であってよい)。私自身が病気をオープンにして芸術を行うことで、社会の求める妄想の像を問い、自由に創造していきたい。

三、病気と、社会活動は、切り離されてきたような位置にあるが、そもそも健康とは病気の有無では計れず、もっと包括的なものである。病気を抱える人も、社会のメンバーである。そのため、わたしの長年の病気を、恥ずかしがるよりは、日常の一部として、芸術の材料にしたい。

このプロジェクトを、以下のウェブサイトにて立ち上げました。
https://evaaine.com/woman-artist-in-residence

作品は、Works(https://evaaine.com/works-of-woman-artist-in-residence)にて、
散文や考え、日記、写真は、Notebook(https://evaaine.com/notebook)にて、更新しております。
芸術作品は、2020年6月30日から2021年3月31日の期間中、およそ三度創作します。一度目は手術前、二度目は手術後療養中、三度目はプロジェクト期間終盤、開腹の傷の痛みがやわらぐころにまとめとして。

一度目の作品は、「びわの葉」をテーマにしています。これまで何度も、私自身がこの病引き起こしたのではないかと疑いましたが、もう責めることは終わり。この病気は私のせいでも誰のせいでもない。わたしをケアしながら、私は私を愛おしむ、ワタシノカラダは私のもの。というテーマです。

このプロジェクトを通して、対話に繋がればと思い、まずはWANにて、シェアさせていただきます。