2010.11.14 Sun
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.離婚とそれに続く大恋愛のもつれで心身ともに疲れ切った作者が、一念発起、イタリア、インド、バリ島を1年かけて旅をする。イタリアではイタリア語の響きと料理、そしてイタリア人の人生観に癒され、インドではアシュラム(瞑想道場)で精神の解放を経験、バリでは宗教と自然に根づいた島の生活のなかで友情を得、人生の伴侶に出会う。こう紹介すると、異国情緒ふんだんな、お気楽な旅日記のようにも聞こえるだろう。実際、はぁ~こんなとこ行ってみたいよなぁ、という楽しみ方も十分できる。
でも、この本の魅力は、人生の壁にぶち当たって悩み苦しみながら、自身を自力で救おうとする、作者の率直さにある。ニューヨーク郊外に家を買い「ふつうの人生」を送る準備を整え、夫と子づくりに励み始めたところで、そんな人生を望んではいないことに気づいてしまう。泥沼の離婚劇の中で大恋愛におちるが、そこではじめて「自分の人生にはつねに恋人がいた」こと、それが「わたしの人間的成熟を妨げる大きな障害になってきた」ことに愕然とする。一年の旅は、そんな自分を見つめ直していく日々だった。
だけど、「思春期」じゃないんだから、そこには、大人らしい楽しみと笑いが満載。ともに旅をしている気分で、満足できる本です。週末の夜、ワイン片手にどうぞ。ジュリア・ロバーツ主演の映画化版を観た人にもまだの方にもおすすめです。(eureka)
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