長生きがしあわせな島〈奄美〉

著者:冨澤 公子

かもがわ出版( 2020/06/18 )


 ご紹介する本は、第2の人生(第1の人生は公務員)として、社会老年学分野の研究の道を選んだ著者が、「長寿で子宝の島」と呼ばれる奄美群島を調査対象として、13年間、超高齢者(85歳以上)の方やその家族の方々へのインタビュー調査、超高齢者の日常と祭りなどの関わりについてのフィールド調査、また、集落の区長を対象に、集落の紐帯や祭り、年中行事などの実態についてのアンケートを行った結果を、博士論文としてまとめ、学位(経営学)を得た論文の一部を、一般書として出版したものです。
 本書の特徴は、これまでの長寿研究では、あまり注目されてこなかった、超高齢者の人生経験を重ねて得た多様な潜在能力と文化的価値に注目し、それを引き出し、健康長寿を支えている奄美の地域コミュニティと社会経済システムに注目したものです。
 高齢者や子どもを支える結いが機能し、「長寿・多子化」を実現している奄美の人々の語りを紹介しています。付録には、フィールド調査の映像を、VDV(28分)を作成したものを添付しています。映像からも、長生きがしあわせな島奄美を知って頂けたら幸いです。