6月1日、東京地方裁判所の判決です。
安全保障関連法に反対した若者のグループ「SEALDs」の元メンバー2人が、ツイッターで誹謗中傷を受けたと訴えた裁判で、東京地方裁判所は、投稿者に対しておよそ100万円の賠償を命じました。

福田和香子さんは勝訴判決後の記者会見で、ステートメントを読み上げました。
(https://tokyofeminist.wixsite.com/waks/single-post/long-way-home)
「インターネットで度々起こる誹謗中傷。私は、それは「ネットの問題」ではなく「人間の尊厳の問題」だと思っています。テクノロジーが「実際にはありもしない人間の悪意」をでっち上げているというわけではなく、テクノロジーを言い訳にして他者の尊厳を踏みにじることを正当化する人間が社会には一定数いる、ということです。」
「インターネット上に、自分の顔と名前に紐づけられた憎悪の言葉が溢れかえっている状態。そして、それらがどこの誰によるものなのか全く把握することができない気味の悪さ。さらに、女性だからと、セクシズムにも直面させられる。それは被害者を萎縮させ、ひいてはその被害者の人生における未来の可能性までもを奪うことにもつながります。」
「画面を閉じればいいじゃないか、と。アカウントを消してしまえばいいじゃないか、と。日々誹謗中傷に晒されていた当時もよく言われていたことを覚えています。たしかに、画面を閉じてしまえば、そこに書かれた大量の誹謗中傷を目にしなくて済むでしょう。自分の目に入らないものは自分の世界には存在しない、と割り切ることだってできてしまうかもしれません。しかし、それが一体なんの解決になるでしょうか。匿名での誹謗中傷を受けることで生まれる恐怖の対象は、そこに書かれた言葉そのものだけではなく、そのような言葉を平気で打ち込むことのできる人間が画面の向こうにいるというその事実です。」 と述べています。
(福田和香子さんのステートメント全文はこちらのブログからお読み下さい。 https://tokyofeminist.wixsite.com/waks/single-post/long-way-home)

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 (WAN女性学ジャーナル掲載→ https://wan.or.jp/article/show/9515 )
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