女の本屋

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『〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム--ケアの倫理とともに』 林香里

2011.02.27 Sun

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.ミニコミやオルターナティブ・メディア、インターネットでの相互交流的な情報空間がますます活発化する反面、マスメディア・ジャーナリズムの衰退が顕著です。「自由」「正義」「独立」「社会の木鐸」「番犬」「不偏不党」「公正中立」「公共性」――こうした、従来のジャーナリズムの原則だけでは対応できない多くの困難な課題がいま、噴出しているのです。こうした理念や価値はもちろん大切ですが、それらの限界を乗り越えながら、メディア社会を再生するための新しい別の倫理が求められていることも確かではないでしょうか。

本書は、この課題に長年、地道に取り組んできた著者による、具体的でユニークな構想力に満ちたひとつの回答といってよいでしょう。排除され、周辺化され、見えなく聞こえなくされがちな女性、子ども、高齢者、貧困層、障害者、外国人等の視点と声を反映した〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズムの豊富な実践例をふまえた上で、近年、射程の広がりと深まりをますます見せている「ケアの倫理」を導きの灯として、メディア社会をトータルに活性化するための方法を提案しています。理念的考察と実践的提言が有機的に架橋された稀有な成果である本書を、ぜひ手にとってください。(編集者 山本賢)








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