パンツを脱いじゃう子どもたち-発達と放課後の性 (中公新書ラクレ)

著者:坂爪 真吾

中央公論新社( 2021/11/09 )


障害のある子どもや発達に特性のある子どもたちの通う放課後等デイサービスの現場で問題になっているのが、子どもたちの性に関する問題である。

「いきなり脱ぎ始めて自慰行為に及び始めた」(小学3年生・男子 自閉スペクトラム症)

「女子児童がいる前で突然、自分が身につけているズボンを下ろして性器を見せる行為を行っています」(小学1年生・女子 自閉スペクトラム症)

「先生が話をしている最中に突然、シャツとズボンを脱ぎだした」(小学4年生・女子 知的障害)

「手持ち無沙汰な時や不安が高まった時などに、手近なおもちゃであるかのようにズボンの中に手を入れてしまいます。まだ恥ずかしいという概念はありません」(小学1年生・男子 知的障害/自閉スペクトラム症/重度身体障害)

本書は、放デイの現場で起こっている障害のある子どもの性の問題を、保護者や職員の声を基にして分析した上で、その背景にある問題構造や社会課題を明らかにしていく。

そこから、「障害のある子どもの性を、どのように社会的に支援していくか」という問いを考えていきたい。