お助けWANで「こころの相談」を長らくご担当いただきました河野貴代美さんが、アメリカの大学院に留学されました。
河野さんといえば、フェミニズムカウンセリングのパイオニア、だとすると、えっ、何歳??? なんで留学???
その顛末をこれからシリーズで掲載いたします。お楽しみください!

大学の角に立つ筆者―アキコ・ゴーシュ撮影
WANのみなさま(11月7日)
河野貴代美と申します。これから月に1度ぐらいの頻度で、しばらくボストン便りをお届けしたいと思います。
まずは出立地の成田空港での初体験から。私のいい加減さから、周辺のホテルに一泊し(出発時、ああ、これに乗っているはず、と涙をこらえ?)、航空便の変更やら(手配旅行会社が時差のあるカナダ)、ボストンで出迎えの方に、空港に来るなと言ったり、翌日は来てくれという電話を入れたり(これがまた時差があって)の、テンヤワンヤの8月末の到着以来、2カ月半がたちました。
温暖化のせいか、40年ぐらい前には、本当に見事に紅葉した木々は、一部を除いて茶色く変容して落葉しています。鴨だか鴈だかよくわからない水鳥たちは、濁った水辺で何を食んでいるのか、まだ道路にチョコチョコ出てきては、車に引かれるのを心配させています。リスの姿は一時期ほど見られなくなりました。もう冬の準備はできたのでしょうか。ボストンは秋が深まっています。
実は私は現在82歳の老婆です。この老婆が、あろうことか米国は歴史のある落ち着いた町として有名なボストンの大学院で学生生活を送ることになりました。シモンズ大学といいます。

シモンズ大学―大学提供
よくまあ、そんな年齢で、と始終聞かれます。勤めていた大学での教員生活も終わり、もちろん再就職先はなく、仮にあったとしてもやる気はなく、どうしたものかと思案中、ふと海外に出たい(多分コロナ逼塞のせい)との希望がムクムクと立ち上がりました。ただ、観光旅行はもうたくさん。長く逗留するなら、学生をやるしかないと思い至ったのでした。
ボストンは、ハーヴァード大やマサチューセッツ工科大以下たくさんの著名な大学・病院を擁し、世界中から学生や研究者の集まった学術の町でもあります。
ジョン・F・ケネディさんがよくボートを漕でいたといわれるチャールス川が、ボストン市とケンブリッジを隔て、あらゆるスポットに緑地があり大小の池に囲まれた自然が、実に豊かです。
シモンズ大学は、私が20代末から30代初めにかけて一度学んだ大学です。(4~50年前の紅葉云々はこの時のことです)。今回再訪して院生生活をしてみれば、学位が初回とは全く異なったものの、やはり素晴らしくも厳しい教育をしていることがわかりました。のっけから教育の話? はい。私がここに居て読者の皆様にこのボストン便りをお届けするそのきっかけを、まずは外すわけにはいきません。
では、シモンズ大にちょっと行ってみましょう。


大学内のカフェ

大学周辺
ベス・イズラエルという広大な病院兼研究所、女子大で同じく歴史を誇るエマニュエル大に並んでその一角を占めるのがわがシモンズ大です。目下全体が工事中で、あちこちが掘り返され、芝生の青と花の咲き乱れたお隣のエマニュエルさんに見おとりがするのは残念です。
1899年創立の歴史の中で、男性創立者が、女性の生きいきとした能力を発揮できることを目的とした意図は今でも生きていて、93年以来女性が学長を務めています。
さて以下は次回のお楽しみに。こんな風にボストン学生生活、季節の移り変わり、女性の活躍の様子等をお伝えしていきたいと思います。よろしくお付き合いをお願いいたします。
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