性暴力について語る人の口を、ふさぎ続けてきたわたしたちの社会。それでも声を上げ続け、問題を明らかにしてきた人たちが、いま、伝えたいこととはーー。
これまで、性暴力被害者は、沈黙を強いられ、孤立を抱えてきました。こうした現状を打ち破ろうと、被害者たちがその体験や思いについて声を上げ始めました。それが大きなうねりとなり、「#Metoo」やフラワーデモ、性犯罪刑法の改正など、さまざまな変化を起こし始めています。
「#Metoo」の中心となった当事者たちや、長年にわたり第一線で性暴力被害者を支援してきたアクティビスト、研究者らが、性暴力の現状やこれまでの動き、今後の展望などをまとめました。
〈もくじ〉
第1章 世界で、日本で、立ち上がった#Metoo
⒈アメリカにおける#Metoo ー渡邊葉(弁護士、翻訳家)
⒉2017年の#Metoo―伊藤詩織(映像ジャーナリスト)
⒊Springは何を求めているか―山本潤(一般社団法人Spring代表理事)
⒋始まったフラワーデモ」―北原みのり(作家、フェミニスト)
⒌メディア界の#Metooー松元ちえ(ジャーナリスト、メディアで働く女性ネットワークWiMN世話人)
⒍#Metooと#KuTooー石川優実(俳優、アクティビスト)
コラム① 国別性犯罪刑法の比較ー伊藤和子(弁護士、ヒューマンライツナウ事務局長)
第2章 性暴力の犠牲になる未成年者
⒎性被害に遭う未成年たち―上間陽子(琉球大学教授)
⒏少女たちが性犯罪の被害に巻き込まれていく―仁藤夢乃(一般社団法人Colabo代表)
⒐「痴漢」を許容する社会ー田房永子(漫画家)
⒑「教育」という場で起きる性暴力ーー亀井明子(NPO法人スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国ネットワーク)
11.性虐待の回復における身近な人の癒しの力―森田ゆり(エンパワメントセンター主宰、文筆家)
12.性的同意とはなにか―栗原加代美(NPO法人女性・人権支援センター・ステップ理事長)
コラム② 語られ出した「就活セクハラ」ー竹下郁子(Business Insider Japan記者)
第3章 性暴力をめぐる課題
13.被害者がバッシングされる歪んだ社会―牧野雅子(龍谷大学犯罪学研究センター博士研究員)
14.痴漢という性暴力ー杉本志津佳(性暴力を許さない女の会)
15.AVという性暴力―金尻カズナ(NPO法人ポルノ被害と性暴力を考える会 PAPS)
16.マスコミが性暴力を報道するということ―小川たまか(ライター)
17.被害者心理から考える刑法の問題点―齋藤梓(臨床心理士/公認心理士)
18.性犯罪裁判の問題点はどのようなものかー寺町東子(弁護士)
コラム③ 性犯罪刑法の基礎知識①
第4章 過去から学ぶ わたしたちはどれだけ前進しているか
19.戦時性性暴力 日本軍「慰安婦」ー梁澄子(一般社団法人「希望のたね」基金代表理事)
20.災害時の性暴力ー正井禮子(NPO法人女性と子ども支援センターウィンメンズネット・こうべ)
21.セクハラと性被害の連続性ー牟田和恵(大阪大学大学院教授)
22.ワンストップセンターの必要性①ー高見陽子(ウィメンズセンター大阪)
ワンストップセンターの必要性②ー楠本裕紀(産婦人科医師、性性暴力支援センター・大阪 SACHICO)
23.基地と性暴力「あなたは悪くない!」ー高里鈴代(強姦救援センター・沖縄 REICO)
24.#Metoo以前の当事者による告発ー河原理子(ジャーナリスト)
コラム④ 性犯罪刑法の基礎知識②
第5章 性暴力のない社会をつくるために
25.私たちは声を上げるー山本和奈(一般社団法人Voice Up Japan代表)
26.キャンパスレイプをなくすためにーBeLive Soka(創価大学)
27.性教育と「性と生殖に関する健康と権利」ー福田和子(#なんでないのプロジェクト代表)
28.性的マイノリティーの性被害ーオガワフミ(福祉職員)
29.少年・男性の性暴力被害ー宮﨑浩一(臨床心理士/公認心理士)
30.性暴力加害者処遇プログラムの現在ー信田さよ子(原宿カウンセリングセンター顧問)
コラム⑤ 痴漢防止アプリを開発したわけーRadar Lab
書誌データ
書名 : わたしは黙らない 性暴力をなくす30の視点
著者名 : 合同出版編集部編
ページ数 : 144ページ
刊行日 : 2021 /10/30
出版社 : 合同出版
定価 : 1650円(税込)
2021.12.02 Thu
カテゴリー:著者・編集者からの紹介
タグ:本